「投げないといけなかった」鳥谷 同点許した6回守備を悔やむ

[ 2012年4月19日 13:07 ]

<神・ヤ>敗戦に肩を落とす和田監督(左から2人目)

セ・リーグ 阪神2―3ヤクルト

(4月18日 甲子園)
 阪神が開幕から16試合目で初めて逆転黒星を味わった。3回までに2点を先行する優勢から敗れた。暗転の6回、1死満塁からの一ゴロが併殺崩れとなった紙一重のプレーに対して、二塁ベースカバーだった鳥谷は一塁送球できなかったことを厳しく自戒した。野手キャプテンが強く残した悔恨の色に、1点の攻防にこだわる和田野球の神髄を見た。

 周囲は誰も責めていない。一切の苦言も聞こえてこない。ただ一人、鳥谷本人を除いては…。

 1点優位の中盤6回。1死満塁からの防守戦だった。畠山の弾むゴロが一塁左へ。ブラゼルが飛び付くようにグラブに収め、二塁ベースへ向かって投げた。

 送球を受けた二塁ベースカバーの鳥谷は一塁へ投げ返さなかった。一塁走者、ミレッジの激しいスライディングに遭い、的になる一塁ベース付近では戻るブラゼルと走る久保が重なった。いや、そもそもタイミング的に間に合ったかどうか…。送球を見送っても仕方ない状況に見えた。

 鳥谷は違った。

 「投げてアウトにしないといけなかった。誰がというんじゃない。投げられなかった条件がいくつかあったけど、しっかり投げないといけなかった」

 併殺崩れで同点に追いつかれた。2死一、三塁に走者を残し、川端の勝ち越し打も続いた。「両方じゃないかな。スライディングもあったし、ブラゼルと久保が重なったかもしれない。ちょっと確認できていない」。和田監督が悪条件をくんだ場面、実際にプレーした鳥谷は悔やんだ。

 そもそもブラゼルの捕球自体が好守だった。守備練習に始まり守備練習に終わった春の陣。猛虎が目指す野球を、厳しく実践しようとする主将が敗戦の中でも頼もしい。

 開幕から16戦目、逆転負けは初めてだった。藤井彰ら負傷者を出しながら、試合運びに限れば順風な発進の証しだろう。「長いシーズンでは、こういう試合もある。ストレスがたまる試合になった。乗り越えていかないといけない」。和田監督にとっても初めて味わう感情かもしれない。

 館山から3回までに2得点。5回1死一塁からは柴田の打席でヒットエンドランを仕掛け、6回2死からはマートンが右前打した後に二盗成功。尻上がりに調子を上げた難敵に対しても好機はつくった。「形としてはできていたんだけど、2点取った後の1点がね…。ただ、チャンスも1回くらいしかなかった」。目立つ失敗はない。長い一年では、こんな敗戦を受け止める日もある。

 だから、言った。「あしたが大事。しっかりやっていきます」。思えば出陣を控えた開幕前日に誓っていた。「ストレスの発散は野球でしかできない」と。

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