ほんの数秒が…右腕負傷を突かれた嶋「負けたのは僕のせい」

[ 2012年4月15日 08:28 ]

<日・楽>4回、本塁のクロスプレー後、起き上がれない嶋

パ・リーグ 楽天1-2日本ハム

(4月14日 札幌D)
 ボクシングで痛いそぶりを見せれば、その箇所を重点的に攻められる。それは野球も同じ。試合後、嶋は「負けたのは僕のせいです」と言った。選手会長も務めるなど責任感ある捕手は、インプレーではない場面で敗戦につながる隙を見せた。

 5回1死一、二塁。二塁走者で見事に三盗を決めた嶋はベース到達後、足から滑り込んだ際に地面についた右前腕をほんの数秒だけ左手で押さえた。場所は日本ハムベンチの目の前。右腕は4回の守備の際、本塁クロスプレーで生還を阻止した小谷野の膝が当たり、痛めていた。相手が「痛いのに頑張ってるな」と同情するわけがない。直後の守備で隙を突かれた。

 5回に先頭のスレッジの一発で同点とされ、なお無死一塁。ここでバスターエンドランを敢行された。打者の金子誠は空振りも右腕を痛めている嶋の二塁送球は悪送球となり、走者は三進。直後、決勝犠飛を打たれた。

 嶋は右腕を負傷した直後、首脳陣に「大丈夫です」と伝えた。チームは開幕から捕手2人制で、3番手は捕手経験のある内野手の銀次。そんな事情から嶋は痛みを押して出場を続けた。チームのための決断は、痛いそぶりを見せずプレーすることで初めて評価される。

 結局、首脳陣は大事を取って6回の打席で嶋に代打を送った。日本ハムの栗山監督は嶋についてのコメントは避けたが「あそこ(5回攻撃)は、動けば何かが起こると思っていた」とだけ語った。

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2012年4月15日のニュース