金本 完全復活見えた左への長打「力が入ってきている証拠やね」

[ 2012年4月11日 14:13 ]

<広・神>3回無死満塁、右前へ適時打を放つ金本

セ・リーグ 阪神10-2広島

(4月10日 マツダ)
 歴代9位タイに並んだ通算2452本目の安打は、阪神・金本にとって価値ある一打だった。

 2点リードで迎えた2回無死からの第1打席。大竹の外角やや高めのシュートをとらえた大飛球は左翼フェンスを直撃した。あと少しで本塁打という二塁打が完全復活へ近づいていることを証明していた。

 「ケガをしてから(左への大飛球は)少し減っていたからね。キャンプからずっと(左方向へ打つ練習を)やってきたからね。力が入ってきている証拠やね」

 片岡打撃コーチは打撃内容に目を細めた。これが今季25打席目で初めての左方向への安打だった。右肩棘(きょく)上筋断裂の大ケガを負った後は左翼への打球が激減していた。昨年のこの時期は激痛が走る右肩に力が入らず、自然と肩をかばうスイング軌道が体に染みついてしまっていたが、昨オフからスイング軌道の修正に着手。春季キャンプからティー打撃、フリー打撃、素振り、そして打撃マシンを相手にした特打でも左方向への打球を意識していた。

 回復傾向にある右肩の状態も後押しして、技術練習も順調に進んだ。それでも開幕後は練習で何度も首をひねるシーンがあったが、着実に本来の打撃へと近づきつつある。和田監督も手応えを感じている。

 「レフトの頭を越える打球が出始めたということは、いい方向。(向上への)バロメーター。本人も喜んでいると思う」

 金本は続く3回無死満塁からの第2打席でも右前適時打を放った。「1点入ってよかった」と本人も納得の一打で、通算安打は2453本となり、土井正博(現西武ヘッド兼打撃コーチ)を抜いて歴代単独9位に躍り出た。

 右肩痛の影響で昨季は思うようなトレーニングができない状況が続いた。しかし、今季はホーム、ビジターにかかわらず、試合前の本格的なウエートトレーニングを行っている。リハビリだけでなく、肉体を鍛え上げる作業も欠かしていない。長いシーズンを見据える大ベテランは、本当の勝負どころに備えた準備も進めている。

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2012年4月11日のニュース