田中サヨナラ打で3連勝 名言引用「おめでとうございます」

[ 2012年4月11日 06:00 ]

<ヤ・D>延長10回1死二塁、右中間へサヨナラヒットを打った田中浩(左から2人目)は武内から冷水をかぶせられ祝福される

セ・リーグ ヤクルト2-1DeNA

(4月10日 神宮)
 鮮やかなサヨナラ勝ちで今季初の3連勝を飾った。ヤクルトは10日、1―1の延長10回1死二塁から田中浩康内野手(29)が右中間二塁打を放ち、粘るDeNAを振り切った。中継ぎの押本健彦投手(29)は6試合目の登板で早くも3勝目。ヤクルトが再び上昇気流に乗り出した。

 右翼・啓二朗の頭上を鋭い打球が越えていった。田中は一塁を回ると、走る速度を緩めず、そのままナインが駆け寄る歓喜の輪に飛び込んだ。「興奮して声が震えています。毎試合投手陣が頑張っている。何とか援護したいと思っていた。おめでとうございます」。01年リーグ優勝時に若松監督(当時)がファンに向けて発した名言を引用するほど、胸の高鳴りは続いていた。

 同点の延長10回1死二塁。田中はDeNAの守護神・山口の3球目145キロ直球を、逆らわずに右に流し打った。「正直、打ってやろうと思っていました」。サヨナラ打は07年8月25日の横浜戦(神宮)以来、2度目。冷静沈着な男の口数が多くなるのも無理はない。

 小川監督の采配ミスを取り返す一打でもあった。9回2死二塁からバレンティンが敬遠で歩かされた。指揮官は代走を出さなかった。ここで相川は二塁左へ鋭い打球を放ったが、山崎が横っ跳びで捕り、二塁にグラブトスで間一髪アウト。一塁走者がバレンティンでなければセーフのタイミングで、その間に二塁走者の上田が本塁を駆け抜け、試合は終わっていた。指揮官は「俺のミスを救ってくれた」と田中に感謝した。

 青木の抜けた今季は1番で開幕を迎えたが、7日の中日戦(ナゴヤドーム)から定位置の2番に戻った。チームもそこから3連勝で貯金2。順位は4位だが、首位の中日、阪神とはわずか0・5ゲーム差だ。

 昨季、逃した優勝に再び挑むシーズンへ「常に(昨季を)忘れることはない。それが僕のバロメーター。しっかりチームに貢献したい」。職人気質。だが神宮で目立ちまくる田中を見るのも悪くない。

続きを表示

2012年4月11日のニュース