デビュー戦で初安打初打点!ムネ「絶対忘れられない日」

[ 2012年4月9日 06:00 ]

アスレチックス戦の4回、メジャー初安打となる左前適時打を放つマリナーズ・川崎

ア・リーグ マリナーズ8-7アスレチックス

(4月7日 オークランド)
 生涯忘れない。マリナーズの川崎宗則内野手(30)が7日(日本時間8日)、アスレチックス戦に「9番・遊撃」でメジャー初出場初先発。4回の左前適時打で初安打初打点を記録した。マイナー契約からはい上がった30歳の「新人」が幸せいっぱいにプレーし、チームも連勝。イチロー外野手(38)も川崎のデビュー戦での活躍を「最高」と自分のことのように喜んだ。

 それは突然の指名だった。プレーボール2時間前。正遊撃手のライアンが寝違えによる首痛を訴えて欠場が決定。ウオーミングアップ中だった川崎は、エリク・ウェッジ監督から耳元で「9番・遊撃」での先発起用を伝えられた。開幕から4試合目でようやく訪れた夢舞台。真っ先にイチローの元へ飛んで行って報告。その場で交わしたグータッチは、2人だけの出陣式だった。

 「凄く緊張して、ずっとフワフワしていた。地に足がつかない、そんな感じ。足も震えていたし…」

 日本でプロとして12シーズンを送った川崎も、経験したことのない緊張感。それでもチャンスをものにした。4回2死一、二塁で迎えた第2打席。05年にサイ・ヤング賞を獲得したメジャー162勝右腕のコローンが投じた初球、92マイル(約148キロ)の直球を芯で捉えた。打球は速い球足で三遊間を抜け、二塁走者が生還。送球間に二進した川崎は感極まった表情を浮かべたが、イチローの声だけは聞き逃さなかった。

 「みんなが喜んでくれているのと、イチローさんから声が聞こえたので、それが一番うれしかったかもしれない。(言葉は)はっきり分からなかったけど、“いいぞー!”だったと思う」

 次打者フィギンズの適時二塁打で生還し、ベンチに戻ると、大歓声とハイタッチで迎えるチームメートに「アリガトウ、アリガトウ」と日本語で応えた。

 「マリナーズならばマイナー契約でもいい」と、海外FA権を行使した昨オフ。実は代理人のトニー・アタナシオ氏のもとには、ジャイアンツからレギュラー待遇でのメジャー契約のオファーが届いていた。古巣のソフトバンクも「オファーだけは出させてほしい」と残留交渉を希望したが、川崎は「条件を聞くこと自体が礼に反する」と固辞。結果的にマ軍に足元を見られ、マイナー契約での入団となったが、全ては憧れのイチローと共にプレーするため。五輪もWBCも経験した日本球界屈指の内野手でありながら、野球少年の心を失わない川崎ならではの選択だった。

 「きょうは絶対忘れられない日になる」――。最高の一日。その喜びを胸に、川崎が次なる歩を進める。

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