新垣9回1失点!右肩痛克服1273日ぶりの白星に涙

[ 2012年4月2日 06:00 ]

<ソ・オ>3年半ぶりに勝った新垣(左)を出迎える秋山監督

パ・リーグ ソフトバンク5-1オリックス

(4月1日 ヤフーD)
 こみ上げる思いを抑えきれない。ソフトバンクの新垣は涙が止まらなかった。9回1失点で完投。08年10月6日の楽天戦(Kスタ宮城)以来、実に1273日ぶりの白星だ。お立ち台では「誰に一番、感謝したいですか?」と問われると、頬を熱いものが伝った。ようやく出た言葉は「家族に…」だった。

 3年ぶりの1軍登板で見せたのは「変化」だ。かつての剛腕。バットに当てられることが大嫌いだった男は、今は「打者を1人ずつ抑える」ことだけを考える。代名詞のスライダーの曲がりを意識的に小さくし、ゴロで打たせて取る。8回無死二、三塁では代打・北川を投ゴロ。2死後には坂口を二ゴロと、計14個のアウトをゴロで奪った。07年にプロワーストの25暴投を記録した荒れ球は影を潜め無四球で投げきった。

 09年に右肩痛を発症し、10、11年と1軍登板機会がなかった。昨年は引退も「考えた」という。支えは家族。09年12月に巨人・杉内の妻・えりかさんの妹・ゆいさん(30)と結婚し、10年8月には長女・美日(びび)ちゃんが生まれた。「一生懸命、成長する娘の姿を見たら自分の悩みは小さい」。愛娘から勇気をもらった。

 「復活の快投!」と秋山監督。試合後、義兄の杉内も移籍初登板を白星で飾ったと聞き「(杉内も)喜んでくれていると思う」とほほ笑んだ。その杉内と和田、ホールトンの抜けた投手陣の、新たな支えとして復活した背番号18は「これからもたくましいパパでいられるよう、頑張ります」と力強く誓った。

続きを表示

この記事のフォト

2012年4月2日のニュース