中畑監督 涙の初勝利!「勝つのは気持ちいいな」

[ 2012年4月2日 06:00 ]

<神・D>ウイニングボールを手に万歳する中畑監督(中央)

セ・リーグ DeNA6-2阪神

(4月1日 京セラD)
 キヨシ、涙の初白星――。DeNAは1日、阪神に6―2で快勝。開幕3戦目でついに初勝利を挙げた。4回に敵失で先制すると、7回は石川雄洋内野手(25)のスクイズなど得意の「せこいぜ!野球」を展開。今季の新監督4人の中で大トリでの初白星に、感極まった中畑清監督(58)は試合終了前から目を潤ませた。勢いをつけて地元・横浜に戻るチームは3日、本拠地開幕となる中日戦に臨む。
【試合結果】

 新生球団の、そして新監督としての初勝利は目前。9回裏、中畑監督は三塁側ベンチで涙を流していた。目は真っ赤だ。喜怒哀楽を前面に出す指揮官は、込み上げる思いを抑えきれなかった。

 「(涙を)ちょっと、こぼしちゃった。鼻水まできたよ。きちゃったんだもん。まだ終わってないのに“勝ったつもりか!この野郎!!”って」

 会見場でも目は潤んだまま。試合に勝って泣いたのは、04年アテネ五輪の3位決定戦以来だ。何より待ち望んだ勝利。下馬評は最下位予想だが、オフから球界の話題を独占してきた指揮官は「きょうはエープリルフールだし、姉ちゃん(一子さん)の誕生日。みんなが祝える、勝つような流れになっていたのかな」。その時は、いつもの陽気な笑顔に戻っていた。

 勝利の手応え。それは決してうそではない。「新球団になって最高の形で勝った。本当に素晴らしいチーム。日々成長している」。4回2死一、二塁から金城の三ゴロが失策を誘って先制。7回には開幕戦に続いて代打・ラミレスが適時打を放ち、なお1死一、三塁から石川がスクイズを決めた。これぞ「せこいぜ!野球」。助っ人の大砲は先発できず、筒香も欠く中で誰もが精いっぱいのプレーを見せる。4点リードの9回には初めて自らマウンドに足を運び、守護神・山口に「チームの最初の1勝をお前が締めくくってくれ」と直接、ボールを手渡した。

 開幕から2試合ともリードを守れず1敗1分け。「俺が暗いと、みんなが暗くなる」。本音を押し隠して「いい試合」「ただの1敗」と明るく振る舞ったが、宿舎の自室で1人になると、訪れた球団関係者のチャイムの音に気付かないほど思い悩んだ。プロは勝ってナンボ。前夜、赤ワインを飲んで就寝した指揮官がようやく勝利の美酒を味わい「勝つのは気持ちいいな」と感慨にふけるのも無理はなかった。4人の新監督の中で大トリでの初白星。「俺らしいね。大器晩成型なんで、試練を乗り越えて頑張っていきたい」。山口から受け取ったウイニングボールは球団に渡した。

 「たまたま勝ったというんじゃない手応えを感じている。さあ、横浜に帰って再出発だ」。価値ある1勝も、新生DeNAの真価が問われるのはここから。さらにまとまり、絆を強くし、一歩ずつ歴史を刻んでいく。

 ▼DeNA・ラミレス(代打で7回に3点目の中前適時打。3日の中日戦から先発に復帰予定)いい場面で打てて良かった。左太腿はもう大丈夫。左翼で守る分には問題ない。

 ▼DeNA・梶谷(7回に4点目の中前適時打)石川さんに教えてもらい、相手の応援歌を口ずさむようにしたら落ち着いてできている。

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2012年4月2日のニュース