光星 青森勢56年ぶり4強!大杉がランニング決勝弾

[ 2012年4月2日 06:00 ]

<光星学院・愛工大名電>8回、1死一、三塁、決勝のランニング本塁打を放ち、ガッツポーズして生還する大杉

センバツ準々決勝 光星学院5-2愛工大名電

(4月1日 甲子園)
 準々決勝2試合が行われ、ベスト4が出そろった。第1試合は光星学院(青森)が、同点の8回に大杉諒暢(あきのぶ)内野手(3年)の決勝ランニング3点本塁打で昨秋の明治神宮大会決勝に続いて愛工大名電(愛知)を撃破。青森勢としては56年の八戸以来56年ぶり2度目の春4強に駒を進めた。第2試合は関東一(東京)が横浜(神奈川)との関東対決を制し、準優勝した87年以来25年ぶりに準決勝に進出。2日は準決勝2試合が行われる。
【試合結果 組み合わせ】

 大会No・1左腕を返り討ちにしたのは、伏兵の一撃だった。同点の8回2死二、三塁。6番の大杉はカウント3ボールとなったところで、仲井宗基監督の声が聞こえた。「ここで打てばヒーローや!」。4球目。真ん中低めの直球を強振した。打球はダイビングした中堅手の横を抜けた。

 打球がフェンスまで転がる間に、3万5000人の大歓声を浴びながら加速する。二塁、三塁と回り、最後は両手でガッツポーズをして生還。公式戦初本塁打が決勝ランニング3ランとなった。

 7回に追いつき、8回に勝ち越した試合展開は、昨秋の神宮大会の決勝と全く同じ。その時に同点打を放った大杉が、またしても浜田を攻略した。「お立ち台は緊張します。自分がここに立つとは思いもしなかった」。最初の2打席は三振。甲子園では通算10打数1安打だっただけに「足を引っ張っていたので、抜けてくれて良かった」と安どの表情を浮かべた。

 昨年のエース秋田と同じ大阪・河南シニア出身。1年秋からベンチ入りしたが、三塁には田村がおり「練習でも甘い部分があった」(仲井監督)という。昨夏はベンチ外。野球を辞めることも頭をよぎった。それでも阪神・関本の口癖である「必死のパッチ(関西弁で必死に取り組むの意)」を合言葉に、オフは連日特守を敢行。昨夏まで三塁を守っていた田村が捕手にコンバートされたことで定位置をつかんだ。

 甲子園でのランニング本塁打は昨夏に1年先輩の川上(ヤクルト)が記録して以来。これで新チーム結成後の公式戦は14戦全勝となり、2季連続の4強に進出した。「次も粘り強い野球をしたい」と大杉。田村、北條のプロ注目コンビだけではない。伏兵の存在が光星学院の強さを際立たせている。

 ≪優勝校の返り討ちは2校目≫前年の明治神宮大会決勝カードがセンバツで再現されたのは74年若狭●―○平安、85年国学院久我山●―○松商学園、03年中京○―●延岡学園に次ぎ4度目。優勝校の返り討ちは中京に次いで光星学院が2校目。

 ▽昨夏の川上のランニング本塁打 8月11日に行われた2回戦の専大玉名(熊本)戦の5回1死、左中間を破る打球が転々とする間に一気に本塁を奪った。川上は3回に満塁弾を放っており、満塁弾とランニング弾の2打席連続本塁打は史上初の快挙だった。投げては6回1失点の好投。チームは16―1で大勝した。

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2012年4月2日のニュース