初先発の大和 逆転呼んだ「気持ちでなんとか 粘って、それだけで」

[ 2012年4月1日 07:22 ]

 逆転劇を呼び込んだ。「2番・中堅」で今季初めて先発出場した大和が、今季初安打となる適時打を放って主砲・新井の一打へとつないだ。

 「気持ちでなんとか。粘って、それだけで」

 2点を追う6回1死一、二塁だ。1ボール1ストライクから3球ファウルを続け、ブランドンの6球目のスライダーをとらえた。左前に打球が落ちたことを確認すると、一塁ベースを駆け抜けて両手をパーンと一度叩いて気持ちを入れた。

 「せっかくスタメンで使ってくれたので結果を出せてよかったです」

 柴田の故障により、春季キャンプ途中から本職とは違う外野に本格挑戦した。昨年、中堅守備に就いたのは途中出場の一度だけ。最初は戸惑いもあった。だが、それでも持ち前の守備範囲の広さ、器用さで結果を残し続け、開幕スタメンに迫った。最後は、直前で復帰してきた柴田の猛アピールによって逃した栄誉。決して表情には出さなかった悔しさを、この日のバットに込めた。

 和田監督が目を細める。「タイムリーでつないでくれたのが大きかった。若い連中は、こちらの我慢もあるけど、活躍してラインアップに入ってこないと(采配として)動けなくなる。ああいった場面を経験させたかった」。2打席凡退も、勝負どころで結果を出したことを評価した。片岡打撃コーチも「嫌な流れやったけど大和がよく打ってくれた。最後も簡単な球じゃない。キャンプからやってきたことが出た。ああいうチャンスでヒットを打てば自信が出る」と成長を称えた。

 「ただ必死に、食らいついただけです」

 若虎のその気持ちが、チームに大きな初勝利を呼んだ。

続きを表示

2012年4月1日のニュース