栗山ハム連勝!苦労人岩舘が代打同点打!主将賢介でサヨナラ!

[ 2012年4月1日 06:00 ]

<日・西>9回、サヨナラ打の田中賢を手荒く祝福する日本ハムナイン 

パ・リーグ 日本ハム4-3西武

(3月31日 札幌D)
 日本ハムは31日、西武戦で9回に劇的な逆転サヨナラ勝ちを収め、開幕2連勝。代打の岩舘学内野手(30)が同点打を放ち、最後は今季から主将を務める田中賢介内野手(30)が決めた。栗山英樹新監督(50)は9年目の苦労人・岩舘の殊勲打を振り返り、感極まって目を潤ませた。斎藤佑樹投手(23)の開幕戦完投勝利に続く、伏兵の活躍。今年の日本ハムはどこまでもドラマチックだ。

 栗山監督の目が真っ赤になった。今にも涙がこぼれ落ちそうになるのをこらえるように上を向くと、鼻をすすった。

 「苦労してきているのを知っているし…感動するよね。本当にうれしい。俺は手放しで喜びたい。技術以上の何かだね」

 主将の田中の右越えサヨナラ打で開幕連勝。それ以上に指揮官を感動させたのが、9回1死二、三塁で代打・岩舘が放った中前同点打だ。一打サヨナラの場面。長打力のある鵜久森でなく、ここ3年でわずか1安打の岩舘を指名した。

 「バットを短く持ってファウルで粘れる。(岩舘)学の野球勘に懸けた」。オープン戦も代走、守備固めで出場していた岩舘本人ですら「野球人生であんな場面で出たことはない。正直、準備不足だった」と苦笑いする起用がズバリ当たる。2球目にスクイズを失敗しながら、追い込まれてからの5球目に食らいつき執念で中前に落とした。

 東洋大から03年ドラフト5巡目で巨人入り。力を発揮できないまま10年に日本ハム移籍したが、昨季は出場わずか6試合で1安打。9月には左手親指を手術した。「3年目も契約してくれた球団に感謝しているし、何よりもあの場面で使ってくれた監督に感謝しています」と岩舘。プロ9年目、通算16安打目が最高の1本となった。栗山監督自身もドラフト外でヤクルトに入団し、はい上がってきただけに「同じ1安打でも重さが違う。こういうのは本当に勢いがつく」と苦労人の一打に感激は止まらなかった。

 「全て出し尽くして負けても、あすにつながる。みんなを信じてる」。9回の逆転劇も先頭の小谷野がフルカウントから3球ファウルで粘って四球を選び、陽岱鋼がバントで送って代打・二岡が左前打。まさに全員でつないで白星をもぎとった。

 サヨナラ恒例のペットボトルによるナインの歓喜の輪を笑顔でベンチ前で見つめた栗山監督は「俺も行った方が良かったのかな…。監督って普通はベンチ前で待ってるんでしょ?初めてだからどこに行ったらいいのか分からなかったよ」と初々しく振り返った。

 主将の田中は「きょうのような試合が栗山野球。今年はドラマチックな野球をお見せします」とお立ち台で宣言した。ファンやナインと一緒に泣いて笑って。雪が舞う札幌で栗山野球が開花しつつある。

 ≪6年ぶりの開幕2連勝≫日本ハムが06年以来6年ぶりの開幕2連勝。新人監督の連勝スタートは06年古田監督(ヤ)以来になる。また日本ハムの新任監督(他球団での指揮歴あり)の開幕2連勝以上は61年水原監督3連勝、89年近藤監督2連勝、92年土橋監督2連勝(1分けを挟む)とあったが新人監督では栗山監督が初めてだ。なお新人監督の開幕からの最多連勝は72年与那嶺(中)、79年梶本(阪急)両監督の6連勝。

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