元エース憲伸が復活!1277日ぶりに日本で白星

[ 2012年4月1日 06:00 ]

<中・広>6回を投げ無失点に抑えた川上

セ・リーグ 中日9-0広島

(3月31日 ナゴヤD)
 かつてエースと呼ばれた36歳のベテランがルーキーのように喜びを爆発させた。試合終了の瞬間、川上はベンチで谷繁と熱い抱擁。日本のレギュラーシーズンでは08年10月1日横浜戦(横浜)以来、1277日ぶりの勝利の味は格別だった。

 「自分でも信じられないくらいうれしかった。最高ですね」。古巣での4年ぶりの国内復帰初登板で6回4安打無失点に抑えた。直球の最速は144キロ。本人も「昔ほどの勢いはない」と認めるように以前のような剛腕のイメージはない。それでも宝刀カットボールとシュートを両コーナーに投げ分け、カーブで緩急をつける熟練の投球術で連打を許さなかった。

 米国では孤独な戦いを強いられた。渡米前に2度の最多勝を獲得した右腕は3年間でわずか8勝。好投しても打線の援護がない試合が多く、野手とのコミュニケーションも日本のようにうまくいかなかった。「野手のせいじゃないけど、微妙なテンポや間の取り方が難しかった」。昨季は右肩痛でメジャーにも昇格できなかった。その右肩痛のリハビリにも苦しみ、慣れ親しんだトレーナーのいる古巣に戻ってきた。

 入団当初から苦楽をともにしてきた仲間もいる。ナゴヤドームでのお立ち台では同期の井端と初めて一緒に上がった。「ずっと前からいつかは一緒に、と話していた」と渡米により果たせぬままだった念願をかなえた。

 「慣れないチームでやるのと、自分を理解してくれる仲間がいるのでは違う。それがここまで順調に来られた一番の原因」。2連覇中の頼もしい仲間に支えられた元エースの復活劇だった。

 ◆川上(中)が国内復帰初登板で先発勝利。大リーグでプレー後に復帰し、初登板勝利は
村上雅則(66年、南海)伊良部秀輝(03年、阪神)高津臣吾(06年、ヤクルト)大家友和(10年、横浜)に次いで5人目。先発勝利は伊良部、大家に次ぎ3人目となった。

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2012年4月1日のニュース