敵将も脱帽「毎打席立つたび安打を打つ雰囲気があった」

[ 2012年3月29日 06:00 ]

<アスレチックス・マリナーズ>試合終了後、サンダース(左)らと喜ぶマリナーズのイチロー(中)

ア・リーグ アスレチックス1―3マリナーズ

(3月28日 東京D)
 「3番・イチロー」の存在の大きさを敵将は分かっていた。04年に262安打したときのマリナーズの監督でもあったアスレチックスのボブ・メルビン監督は「いつも通りいいスイングをしていた。安打マシンと言える彼ならではのバッティング。打順が変わっても、全く打撃へのアプローチは変わっていなかった」と脱帽した。

 11回の勝ち越しの場面に3番・イチローの相乗効果が出た。二塁打と犠打で1死三塁。2番・アクリーを迎えたが、メルビン監督は「次がイチローだったので、四球は考えなかった。もし勝負にいって歩かせていたら、イチローも敬遠の作戦だった」と振り返った。この日本塁打を放っているアクリーとの勝負を余儀なくされたのは、背番号51の圧倒的な存在感だった。

 これこそ、マ軍のエリク・ウェッジ監督が描く「打線の相乗効果」だった。「1番フィギンズの出塁と足、2番アクリーは打撃の柔軟性がある。そしてイチローの後にも長打を打てる選手がいる。この打順の強さを証明できた」。イチローを軸に線でつながる。昨季30球団最下位からの得点力アップの狙いが開幕戦から的中した。

 「毎打席立つたびに安打を打つ雰囲気があった。この環境の中で、彼の特別さは際立っていた。凄い場所で野球をやっているなと感じた」とウェッジ監督。自軍の将も敵将も惜しみない賛辞を贈っていた。

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2012年3月29日のニュース