鳴門史上初2戦連続サヨナラ 何か持ってる日下がV打

[ 2012年3月29日 06:00 ]

<鳴門・作新学院>延長10回2死満塁、鳴門・日下が左翼手の頭上を越えるサヨナラ二塁打を放つ

センバツ2回戦 鳴門5―4作新学院

(3月28日 甲子園)
 迷いはなかった。延長10回2死満塁から鳴門・日下が初球の真っすぐを振り抜くと、打球は風にも乗って背走する左翼手の頭上を越えた。二塁走者が本塁を駆け抜けた瞬間、センバツ史上初の2試合連続サヨナラ勝ちと、鳴門の42年ぶりのセンバツ8強が決まった。

 「“回ってこい”と思っていた。チャンスでは強いという自信があります」。昨秋の四国大会決勝戦(対高知)でも4―4の9回2死満塁から右前にサヨナラ安打。1年生・日下の公式戦デビュー戦でこの日と同じ初球を叩いた。「前の打席でも真っすぐが多かったので、初球は真っすぐが来ると」。捕手らしい読み。その読みで、エース・後藤田をも救った。

 8回に同点にされ、なおも1死二、三塁のピンチ。カウント1ボール1ストライクから高嶋のスクイズを捕邪飛に打ち取り、スタートを切った三塁走者も刺した。スクイズを想定し「外の速いスライダーでファウルにしてもらおう」と狙い通りの結果だった。エースの後藤田も「あいつは何か持っていると思いますよ」と頼もしい女房役を称える。「ミラクル鳴門」が51年以来、61年ぶり2度目のセンバツ制覇を目指す。

 ≪51年以来初の2度達成≫鳴門が1点を追う延長10回に逆転サヨナラで勝利。延長逆転サヨナラ勝利は、09年1回戦の倉敷工―金光大阪(11―10、12回)以来。また鳴門は1回戦も洲本に2―1で延長10回サヨナラ勝ち。2試合連続サヨナラ勝利は、03年の花咲徳栄以来9年ぶり延べ7校目。鳴門は初優勝した51年に準決勝と決勝でもサヨナラ勝ちしており、センバツ史上初めて2度の達成となった。ともに延長戦の連続サヨナラ勝利も、センバツ史上初の快挙(夏は2度)。

続きを表示

2012年3月29日のニュース