犠牲者遺族らが始球式 被災者がイチロー勇姿に声援

[ 2012年3月28日 22:50 ]

 28日に東京ドームで行われた米大リーグの開幕戦、アスレチックス―マリナーズには、昨年の東日本大震災の被災者や遺族が多数招かれ、4安打1打点と活躍したマリナーズのイチロー選手(38)の勇姿に声援を送った。

 始球式は震災で犠牲となった宮城県石巻市の米国人英語教師テーラー・アンダーソンさんの父アンディさん(54)らが務めた。アンディさんは娘を亡くした悲しみを乗り越え「テーラー・アンダーソン記念基金」を設立。被災地に本を寄贈するなど復興を支援している。

 試合前のセレモニーでイチロー選手とがっちりと握手を交わしたアンディさんは「亡くなったテーラーを取り上げてもらい光栄だ。日米の懸け橋となり、これからも石巻の復興に尽力していきたい」と被災地への思いを語った。

 日本人初の大リーガー村上雅則さん(67)は岩手県の中学球児ら50人を個人的に招待した。陸前高田市の佐藤春希君(15)は津波で自宅が流され、姉も失った。右翼スタンドから、間近に守るイチロー選手を見詰め「生のイチローを初めて見た。こんな機会をもらい、本当にうれしい」と目を輝かせた。

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2012年3月28日のニュース