これぞ横浜エースの系譜 柳Wリベンジ完封

[ 2012年3月27日 06:00 ]

<横浜・高知>3安打完封の好投を見せた横浜・柳

センバツ1回戦 横浜4-0高知

(3月26日 甲子園)
 1回戦3試合が行われ、第1試合では横浜(神奈川)のエース・柳裕也投手(3年)が高知(高知)を相手に3安打完封勝利。74年のセンバツで敗れた相手に雪辱を果たし、渡辺元智監督(67)は甲子園通算49勝目。史上4人目の50勝到達に王手をかけた。第3試合では元ダイエーの大越基監督(40)率いる早鞆(山口)が智弁学園(奈良)に2―5で敗れ、甲子園初勝利はならなかった。

 4―0の9回、柳は強い気持ちを胸にマウンドに上がった。先頭打者の土居を三ゴロに仕留めると、後続も内野ゴロに抑えた。これが横浜のエース。公式戦初完封に少しだけ表情が緩んだ。

 「夏の甲子園で先頭に打たれた場面がよぎったんですけど、打たれたら成長しない。9回の先頭は特に気をつけました」

 昨夏3回戦の智弁学園戦。3点リードの9回、先頭打者に安打を浴びて降板し、チームは大逆転負けを喫した。「あの試合から1球を大切にするように意識してやってきました」と胸を張った。

 度重なる故障も乗り越えた。昨秋の関東大会ではバントの際に右人さし指に投球を受け、爪をはがした。今年2月にはハードなランニングメニューをこなし、右足甲が疲労骨折寸前の状態になった。ギリギリで間に合わせたセンバツの舞台。初回2死一塁ではけん制球で走者を刺し、制球を重視し1四球。三塁を踏ませずに投げきった。

 38年前の借りも返した。高知は先輩たちが74年にサヨナラ負けを喫した相手。右腕は「知らなかったです」と驚いた。17歳では無理もないが、甲子園通算49勝とした渡辺監督は「あの時は私も2回目の甲子園で若かった。しっかり覚えていましたよ」と振り返った。

 柳は同校OBの松坂(レッドソックス)、涌井(西武)に憧れ、故郷・宮崎から離れた野球部の門を叩いた。名門の歴史を背負い「自分たちの代で監督さんに50勝をプレゼントしたい」と力を込めた。

 ▼74年の横浜VS高知 第46回大会の2回戦で激突。横浜・永川英植、高知・高橋の投げ合いで延長11回まで両軍無得点。12回に当時2年生だった高知・杉村が中越えに大飛球を放ちサヨナラ勝ちを収めた。

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2012年3月27日のニュース