川端いきなり5打点 小川監督「やっぱり勝負強い」

[ 2012年3月25日 06:00 ]

<ヤ・西>2回無死満塁、適時三塁打を放つヤクルト・川端 

オープン戦 ヤクルト5-4西武

(3月24日 神宮)
 スタンドからの大きな拍手に体が震えた。2回無死満塁。ヤクルト・川端の鋭い打球は、右中間を深々と破った。一気に三塁まで激走。その手首には、以前と変わらない心地よい感触が残っていた。

 「本当に5カ月ぶり。去年の打撃を体が覚えていてくれました。打席に立った時の歓声がうれしかった」。左手首じん帯損傷で調整が大幅に遅れた。復帰戦で2安打5打点。チーム全得点を叩き出し、変わらぬ勝負強さを見せつけた。出場選手登録を抹消されたのが昨年10月19日。ようやく戻ってきた1軍の舞台で7番・遊撃で出場。3回2死満塁でも右前2点打だ。再び大歓声。この日をただ、待ち望んでいた。

 「やっと(1軍に)来たんだな、という気持ち。手首は大丈夫です」。重い荷を背負って山に挑み、途中で転がり落ちた。正遊撃手をつかんだ昨季、打順は7、8番からスタートし、7月には3番に昇格した。しかし9月14日の広島戦(マツダ)で三塁に滑り込んだ際に左手首のじん帯を損傷。オフはリハビリに励んだ。2月の2軍キャンプでは痛みが引き始めたにもかかわらず、主治医からバットスイングを一日100本と制限された。川端はその禁を破る。

 「焦りもあって、ティー打撃でも2、3箱打ち込んでしまいました…」。そして痛みが再発。オープン戦のテレビ中継では、2年目の山田が遊撃で躍動している。だからこそ感じた。「慌てないようにしよう。早く治すにはバットを振ってはダメだ」。気持ちを抑えつつ、ようやく18日のイースタン・リーグ西武戦(戸田)に出場。開幕直前に定位置に戻ってきた。

 チームは快進撃中のDeNAを抑えてオープン戦首位。25日の西武戦(西武ドーム)に勝てば、41年ぶりのオープン戦Vが決まる。小川監督の声もはずむ。「川端はやっぱり勝負強い。ポイントゲッターになる」。指揮官は巨人との開幕3連戦(東京ドーム)で5番・遊撃をイメージしている。「正直(開幕に)間に合わないと思っていました」と川端。トンネルは抜けた。あとは、明るい光の下を突っ走るだけだ。 

 ▼川端の昨シーズン 4月12日の巨人との開幕戦(宇部)では、7回に代打で出場し右前適時打。翌13日(北九州)から8番でスタメン出場を続け、7番で出場した同22日の広島戦(マツダ)では3安打の活躍。その後も「恐怖の下位打線」として7、8番を打ったが、6月30日の巨人戦(東京ドーム)で5番に昇格。7月29日の巨人戦(福島)以降は、シーズン終盤まで主に3番を任された。

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2012年3月25日のニュース