斎藤佑樹よ、雅樹になれ!指揮官理想は“ミスター完投”

[ 2012年3月24日 06:00 ]

チームとともに千葉へ移動した日本ハム・斎藤

 斎藤佑樹よ、斎藤雅樹になれ――。日本ハム・栗山監督が開幕投手に託した夢は大きかった。

 「きのうも球数次第では完投させようと思っていた。去年も5回3失点で降りたりしたけどあれではダメ。そういう状況でも今年は代えない」

 移動中の空港で取材に応じた指揮官は、前日のソフトバンク戦(札幌ドーム)で7回3失点、105球でオープン戦初勝利した斎藤に一定の評価を与えながら、シーズンではより高いレベルを求めた。

 その存在が同姓の、元巨人エース・斎藤雅樹現巨人投手コーチだ。89年に驚異の11試合連続完投勝利など21完投し「ミスター完投」の名をほしいままにした。その11完投勝利目前の同年7月15日のヤクルト戦(東京ドーム)で、最後の打者として一直に倒れた栗山監督は「本当に凄かった」と当時を振り返りながら「最初から諦めたら終わり。(斎藤も)できると思っているし、俺は諦めない」と完投を厳命した。

 (1)チームを勝たせる投球(2)イニング数を投げて中継ぎを休ませる――を斎藤に課している。昨季232回を投げたダルビッシュの穴埋めは容易でない。斎藤は昨季19試合で完投は1度だけ。計107回で防御率2・69だった。3点取られなかった右腕が完投数を増やせば投手起用は楽になる。「点を与えないに越したことはないけど、まずは勝つこと。きのうも踏ん張った。あれが斎藤佑樹の姿」と指揮官。斎藤も「完投はしたい。スタミナは自信がある。それだけのトレーニングはしてきた」と応えた。

 高いハードルをいくつも越えてきた斎藤。エースへの試練の道は始まったばかりだ。

 ▽斎藤雅樹の11連続完投 入団7年目で先発に定着すると、5月10日大洋戦から連続完投勝利が始まった。7月1日ヤクルト戦で40年須田博(スタルヒン)に並ぶ球団タイの9試合まで伸ばすと、8日大洋戦で78年鈴木啓示(近)に並ぶ歴代最多タイの10試合連続完投勝利を達成。記録の懸かった15日ヤクルト戦も見事な完封で、11試合連続完投勝利のプロ野球新記録を樹立した。結局同年は20勝、防御率1・62のセ2冠でVに貢献。沢村賞にも輝いた。

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2012年3月24日のニュース