走った7盗塁!健大高崎「機動破壊」で天理撃破

[ 2012年3月23日 06:00 ]

<天理・健大高崎>9回表、大沢のスクイズで健大高崎の三塁走者・長坂(左)が生還。(捕手・山岸)

センバツ 高崎健康福祉大高崎9-3天理

(3月22日 甲子園)
 広い甲子園を、所狭しと駆け抜けた。高崎健康福祉大高崎が、13安打に失敗なしの7盗塁を絡め、昨夏に続く初戦突破。群馬県勢のセンバツ連敗を12で止めた青柳博文監督は「果敢に走ってくれた。称えたい」と納得の表情を浮かべた。

 決勝点も「足攻」だった。同点の7回無死一塁。秋山がバスターで左中間にポトリと打球を落とした。「足の速さはチームで後ろから数えた方が早い」という一塁走者の小林は左翼手の捕球体勢が乱れたことを横目で確認し、一気に本塁を陥れた。「自分もレフトなので、あの体勢から強い球は投げられないのが分かる。野手の追い方を判断すれば、足が遅くてもコンマ数秒は補える。“走塁に足の速さは関係ない”といつも言われているので」と胸を張った。

 選手全員に走る意識がすり込まれているからこそ積極的な攻撃ができる。先頭打者が出塁したのが5度。その全てで強攻策に出た。昨秋の公式戦では9試合で33盗塁。1試合平均3・67個は出場32校中トップの数字だ。青柳監督が機動力と攻撃力を合わせる野球のテーマに掲げた「機動破壊」が選手に浸透。さらに「盗塁だけが機動力ではない」との指揮官の言葉通り、天理の3投手には合わせて20回もけん制球を投げさせ、走者が打者へのマークを緩めた。

 4安打2盗塁を記録した4番・内田は「練習試合から積極的にいくことをやってきたので」と笑顔。全員が1メートル80に届かない小兵軍団は「Be together」で始まる斬新な歌詞の校歌を、再び甲子園に響かせた。

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2012年3月23日のニュース