負けても凄かった!花巻東・大谷150キロに特大弾

[ 2012年3月22日 06:00 ]

<花巻東・大阪桐蔭>2回裏、大谷は右越えに先制ソロを放つ

第84回選抜高校野球第1日 花巻東2-9大阪桐蔭

(3月21日 甲子園)
 夏に帰ってくる!第84回選抜高校野球大会(日本高野連、毎日新聞社主催)は21日、甲子園で開幕。第3試合は花巻東(岩手)のエース・大谷翔平投手(3年)が、大阪桐蔭の藤浪晋太郎投手(3年)との「ダル2世対決」に臨んだが、8回2/3を7安打9失点(自責5)の乱調。東北4校の先陣を切ったが、被災地に勝利を届けることはできなかった。それでも最速150キロをマークし、打撃でも右翼席へ豪快な一発。投打に底知れぬ力を発揮して春の甲子園を去った。

 173球目は、大阪桐蔭・水谷の頭部に当たる死球となった。交代を告げられた大谷は左翼へ。藤浪との「ダルビッシュ2世対決」は完敗だった。自身2度目の甲子園のマウンド。リベンジはならず、またしても悔しさだけが残った。

 「自分のせいで流れを悪くしてしまった。野手のみんなに申し訳ないです。(出来は)20点から30点くらい。自分の実力不足。全国で勝つのは難しいと感じました」

 左股関節のケガが長引き、本格的に投球を再開したのは今年の1月だった。公式戦登板は昨夏の甲子園、帝京(東東京)戦以来、227日ぶり。最速は150キロを計測するなど「みちのくのダルビッシュ」の片りんは見せた。しかし、直球は高めに浮き、スライダーは抜け球が目立った。

 投球は不本意だったが、4番打者として超高校級の実力を見せつけた。2回、藤浪のスライダーを豪快に右翼席に運ぶと、スタンドがどよめいた。「真っすぐに張っていたので、遅い球に体が反応しました」。高校通算37号で意地を見せたが、チームは2得点に封じられた。佐々木洋監督も「勝って被災地にいい報告がしたかったので、申し訳ない」と悔やんだ。

 ケガで不本意だった昨夏。そして注目の対決でフォームを見失った今春。大谷は「9回を投げられない弱さ。もう一度しっかりやってチャレンジしたい」と言った。まだまだ発展途上。2度の甲子園で得た経験は、最後の夏につなげればいい。

続きを表示

この記事のフォト

2012年3月22日のニュース