ダル ナ・リーグMVP斬り「前回より内容良かった」

[ 2012年3月21日 06:00 ]

<レンジャーズ・ブルワーズ>1回2死、ブラウンを二飛に打ち取るレンジャーズのダルビッシュ

オープン戦 レンジャーズ3―5ブルワーズ

(3月19日 サプライズ)
 レンジャーズのダルビッシュは登板後の会見で白い歯を見せた。ようやく手応えをつかんだからこそ、自然と表情が緩んでいた。

 「きょうは気持ち良く試合を、打者との対戦を楽しんで投げることができた。四球3つに死球1つでしたが、内容は前回より比べて良かった」

 ワインドアップに変更したフォームで臨み、4回を1安打1失点。青木に許した安打だけに抑えた。前回も4四球を与えたが、速球系の制球に苦しんだ。この日は違う。最速154キロの直球にカットボール、何よりも投球の軸になるツーシームの制球が抜群だった。

 「ツーシームはよく変化していて(打者が)嫌がっている感じもした」。全70球中22球を投じ、3回ウィークスを空振り三振。4回1死一、二塁では内角に投げてルクロイを注文通りの三ゴロ併殺に打ち取った。初バッテリーを組んだ正捕手ナポリも「“真ん中近辺に投げて変化させよう”と打ち合わせた通りにできた」と振り返った。

 調整変更も功を奏した。今回の登板間はこれまでのフリー打撃登板ではなく、志願して2日連続でブルペン入り。自身に集中してフォームを固め、直球系に磨きをかけた。右の軸足にタメをつくるため、キャッチボールから体重移動を意識。右足に数秒重心を乗せて投げたり、右足1本で軽くジャンプして、右股関節に体重が乗るよう意識づけて投げたりした。

 力と力の勝負も味わえた。昨季ナ・リーグMVPのブラウンを2打席凡退。3回はツーシームを投げ、左飛に打ち取った。そのブラウンは薬物検査で陽性反応を示すも異議申し立てが認められた。会見でその件について問われると「(ブラウンは)結果として何もないのだから、皆が認めないといけないと思う」ときっぱり。他球団の選手を思いやる発言で米メディアをも驚かせた。

 開幕まで約3週間。「てこずっているという球種は自分の中にはない。ジャイロボールは調整が遅れている」。ジョークも飛び出すほどの雄弁さが順調に階段を上がっている証明だ。

 ▼ブルワーズ・ブラウン マウンドで確かな存在感がある。見ていても楽しい投手だね。

 ▼レンジャーズ マイク・マダックス投手コーチ 全体的に良かったし、前に進めた。ツーシームはメジャーを見渡しても抜群の球種。安定してきたのは大きい。(左打者への)カットボールも良かった。

 ▼レンジャーズ・建山(8回にデービスにソロを浴びて1回1安打1失点)自分を戒める意味でもいい一発。反省材料はあの1球だけ。

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2012年3月21日のニュース