大田待望の一発 原監督「1軍の枠には今がもがき時」

[ 2012年3月21日 06:00 ]

<巨・ヤ>7回無死、左中間にソロ本塁打を放つ巨人・大田

オープン戦 巨人4-1ヤクルト

(3月20日 甲府)
 必死の思いをバットに乗せた。7回。巨人・大田のこん身の一振りにはじかれた打球は、スタンドに突き刺さった。プロ4年目で待望のオープン戦初本塁打。「プロ1号」が飛び出すまでオープン戦出場計18試合、39打席を要した。それだけに、ベンチ前での原監督とのグータッチにも熱が入った。

 「何より僕がうれしかった。気持ちを切らさないように準備していた。これをきっかけにどんどん結果を残して、外野の一角を狙えるようにしたい」

 開幕が近づくにつれ、代打や守備要員としての途中出場が続く。「ファーストスイングからベストスイングになるようにやってきた」。試合前のフリー打撃でも初球からのフルスイングを心掛けてきた。

 この日も7回の守備から出場。直後に回ってきた第1打席では、初球から積極的にバットを出した。結果はファウルだったが、「積極的な打撃ができた」と精神面で優位に立てた。そして、ヤクルト・日高の4球目の外角チェンジアップを運んだ。打球方向は左中間。高校通算65本塁打。将来の巨人を担う長距離砲として周囲の期待は大きいが、実戦になると好結果が残せない。そんな悩める未完の大器に、原監督が今春キャンプ中に東海大相模の先輩として、ホームラン打者として「俺は現役時代、左中間にフェード気味に打とうとやってきた」と語り掛けた。その心は、体の左側にしっかり壁をつくって豪快に振り抜く。ようやく大田が体現した。

 ただ、今オープン戦の打率は依然として・091。原監督は「(開幕)1軍の枠(に残るため)には、今がもがき時」とさらなる奮起を求めた。外野は長野、高橋由、ボウカーらがそろう激戦区。「僕には失うものは何もない。死ぬ気で(1軍に)必死に食らい付きたい」。その貪欲さで、大田が最後までアピールを続ける。

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