ＪＦＥ東日本の三橋　いきなりノーヒットノーラン！

＜ＪＦＥ東日本・ＪＲ東日本東北＞ノーヒットノーランを達成したＪＦＥ東日本・三橋

東京スポニチ大会 ＪＦＥ東日本５－０ＪＲ東日本東北

（3月12日 ＱＶＣ）
　社会人野球の春の幕開けとなる第６７回東京スポニチ大会が１２日に開幕し、３会場でリーグ戦８試合が行われた。ＱＶＣマリンではＪＦＥ東日本の三橋尚文投手（３２）が、ＪＲ東日本東北相手に大会史上５人目となるノーヒットノーランを達成。神宮では富士重工のルーキー・東明（とうめい）大貴投手（２２）が完封デビューを飾った。１３日もリーグ戦８試合が行われる。
【スポニチ大会日程と結果】

　快挙を演じた主役が誰よりも驚いていた。２４年の野球人生で初の無安打無得点を達成。最後の打者を遊ゴロに打ち取っても、右手で小さくガッツポーズをしただけ。１２奪三振の快投を見せた３２歳の右腕は「まさか自分がこういう記録を達成できるとは思わなかった」と照れるように笑った。

　本格的に投手を始めたのは高３から。上武大で球速は１４０キロ中盤まで伸び、プロからも注目を集めるようになったが、指名はなくＪＦＥ東日本に進んだ。社会人入りしてからも筋トレ効果で、最速は１５３キロまで伸び、昨年からはたばこも断って、肉体改造を続けてきたが、ドラフトで声はかからなかった。それでも「もう年齢的なものもあるのでプロは諦めた。ここまできたらミスター社会人と言われるくらいまで極めてみせますよ」と明るく言い切る。

　２年ぶりの都市対抗出場を狙う今季。青野達也監督は「都市対抗に出るためにもウチの柱になってほしい。３２歳だけど、年々進化してますから」と三橋に期待を寄せる。遅咲きの野球人生。都市対抗で大輪の花を咲かせるためにも、まずはスポニチ大会の優勝を狙いにいく。

　◆三橋　尚文（みつはし・なおぶみ）１９７９年（昭５４）６月２９日、千葉県成田市生まれの３２歳。千葉・東京学館では３年時に内野手から投手に転向。甲子園出場経験はなし。上武大に進学し、４年春に全日本大学選手権に出場。ＪＦＥ東日本では１０年都市対抗で８強入りに貢献し、昨年はＩＢＡＦのＷ杯（パナマ）の日本代表にも選出された。１メートル８５、８１キロ。右投げ右打ち。

　▼ＪＲ東日本東北・藤井省二監督　もともと打てるチームじゃないので（無安打無得点は）気にしてないが、三橋君くらいの投手を打てるようにならないと。鍛え直します。