星野監督 東北に白星届けられず「いい試合したかった」

[ 2012年3月12日 06:00 ]

<楽・日>福家球審(右)に選手交代を告げる楽天・星野監督。ふがいない試合内容に表情も厳しい 

オープン戦 楽天1-3日本ハム

(3月11日 倉敷)
 楽天・星野監督の表情には「もどかしさ」がにじんでいた。震災で大きな被害を受けた東北を本拠地とする楽天にとって、オープン戦とはいえ倉敷から勝利を届けたかった。

 「去年は思い出したくもないぐらいの大ショックを受けた。そういう意味ではいい試合をしたかった。まだまだ分かってないチームということ」

 打線が6安打で1得点。同点の8回に3番手で登板した小山伸が2点を奪われ、そのまま逆転機をつくることなく敗戦した。走塁ミスも目立つなど、ナインの動きはどこかぎごちなかった。

 昨年の大震災発生時、チームは兵庫に遠征中だった。そこから練習場所の確保もままならずに各地を転々とし、開幕直前の4月7日にようやく仙台に戻った。「あれから1年か。この日からが大変だった」と星野監督。心身ともに難しい調整を強いられたチームはシーズンを5位で終えた。

 本格的な復興元年。チームは結果が問われる。常々「うちの選手は優しすぎるし、グラウンドでも優しい」と嘆く星野監督は「毎回、選手に“強さを見せようじゃないか”と言ってる」と明かす。足りないのは勝利への執念、気迫、貪欲さ。開幕直前の28日にはナインが被災地を訪問する予定で「シーズンに入ってどう変わるのか楽しみにしている」と期待した。

 昨年の沢村賞の賞金300万円を南三陸町に寄付することを決めた田中は、試合途中の黙とうを「去年に起きたことを考えて怖くて鳥肌が立った」と振り返った。と同時に「3月11日は本当に忘れてはいけない日。今年はチーム一丸で優勝に向かわないといけない」と思いを強くした。

 30日、初めて本拠地のKスタ宮城でシーズンが開幕する。星野監督が求める「強さ」が東北復興の力になる。

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