21世紀枠の石巻工ナイン 甲子園で黙とう

[ 2012年3月12日 06:00 ]

21日開幕の選抜高校野球大会に出場する石巻工ナインは、甲子園球場前で黙とう

 第84回選抜高校野球大会(21日から12日間、甲子園)に21世紀枠で出場する石巻工(宮城)が大阪入りし、松本嘉次監督と選手ら34人は甲子園敷地内の野球塔前で黙とうした。

 この日球場では阪神―巨人のオープン戦が行われ、午後2時45分ごろ「黙とうをささげます」のアナウンス。そして46分、石巻工ナインも球場を背にして被災地の方角を向き、静かに目を閉じて哀悼の意を表した。

 「黙とうの間、あの時の状況が走馬灯のように浮かんできた」と松本監督。同校は津波でグラウンドが浸水するなど甚大な被害を受けた。さらに昨年9月には台風15号の直撃で再びグラウンドが冠水。それでも地元・石巻の人たちから支援を受けて昨秋の宮城大会で準優勝し、21世紀枠での大会出場を勝ち取った。

 震災で自宅が全壊状態になった阿部翔人主将(2年)は「当時はこうやって甲子園で1年を迎えることができるとは思いませんでした」と振り返る。チームは、12日の太成学院大高(大阪)との今年初の対外試合を皮切りに本番に備える。松本監督は「声援を無駄にしないように暴れまくりたい」と誓った。

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2012年3月12日のニュース