杉内「止まんねぇ」7失点…古巣相手に「久々焦った」

[ 2012年3月10日 06:00 ]

<ソ・巨>2回、長谷川に2ランを浴びる巨人・杉内

オープン戦 巨人1―7ソフトバンク

(3月9日 ヤフーD)
 長谷川の一発が右翼席に消える。マウンドに内野手らが集まってくると、巨人・杉内は思わず苦笑いだ。2回、まさかの1イニング6失点。「ホークス相手に投げるのは初めて。力んだといえば力んだかも…」。昨季まで10年間在籍した古巣相手。しかも故郷・福岡の、慣れ親しんだマウンドだった。5回8安打7失点。これでもか、と打ち込まれた。

 「久々にマウンドで焦った。こういうのを“止まんねぇ”って言うんだろうなと思った」。2回、小久保の左越え二塁打を皮切りに、松田に左翼線二塁打。9番・高谷の三塁打を挟み、長谷川には初球のチェンジアップを被弾だ。3回にもペーニャに一発。昨季までの仲間、日本一軍団の強さをあらためて痛感した。

 小久保、松中、多村…。対戦を心待ちにしていた。オフの納会。去就に悩む左腕に「残ってくれ。来年も一緒にやろう」と約10分、熱く語りかけてくれたのは松中だった。5回1死。代打で登場した相手を、恩返しの気持ちを込めた内角スライダーで、空振り三振に斬った。打ち込まれる中でも、変化球を低めに集めて5奪三振。「(対戦は)楽しかった」と振り返った。

 実績十分の左腕。「悪いところは対策していければ」と、原監督は心配無用といった表情だった。オフにFA権を行使して選んだ新天地。「三塁側から出るのには違和感があった。ある程度のブーイングは覚悟していた」。しかし、待っていたのは昨季までと同様の温かい歓声。「うれしかった」。試合後の会見。この時ばかりは笑みを浮かべた。

 ▼巨人・川口投手総合コーチ(杉内のことは)何も心配していない。古巣相手で厳しいコースも突けなかったでしょう。

 ≪初の1イニング6失点≫杉内(巨)が5回7失点。自身オープン戦で7失点以上は10年3月13日広島戦の9失点以来2度目だ。2回にはオール長打の4安打を浴び6失点。杉内がオープン戦でイニング6失点は初めて。公式戦ではイニング6失点は自己ワーストタイで、03年9月30日ロッテ戦の4回、04年6月1日ロッテ戦の2回、07年8月16日日本ハム戦の5回と3度喫している。

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2012年3月10日のニュース