6球団スカウト驚愕…大谷豪快2発に「野手でも1位」

[ 2012年3月9日 06:00 ]

<東大阪大柏原・花巻東>7回、2打席連続本塁打を放った花巻東・大谷

練習試合 花巻東6―0東大阪柏原

(3月8日 東大阪大柏原グラウンド)
 高校野球は8日、練習試合が解禁となり、第84回選抜高校野球大会(21日開幕、甲子園)に出場する花巻東(岩手)は大阪府柏原市内で東大阪大柏原と対戦した。「3番・右翼」で先発した今秋ドラフト1位候補の大谷翔平投手(2年)は、打撃では2打席連続本塁打を放って高校通算35本とすると、投げても7回からの3回を無安打無失点の好投。今センバツ注目度No・1右腕が、打っても怪物級を証明した。

 練習試合の解禁初日に大谷が離れ業をやってのけた。5回の3打席目に真ん中直球を強振。左打席から右中間へ弾丸ライナーの本塁打を放つと、続く7回にも内角低め直球を再び右中間にはじき返して圧巻の2打席連続本塁打だ。ともに推定飛距離は130メートル。本人も「あそこまで飛ぶとは思わなかった」と目を丸くする衝撃弾で最高のスタートを切った。

 この日は、巨人、中日、ソフトバンク、日本ハム、楽天、ロッテの6球団のスカウトが大谷のプレーを視察。この度肝を抜く2発に中日の米村明スカウトは「投手、野手どちらでも1位でいけるほどの素材。怪物化しそうだね」と高い打撃センスを絶賛した。

 7回からは「本職」で魅せた。昨夏の甲子園1回戦の帝京戦以来、214日ぶりに対外試合に登板。「制球だけ意識して投げた」としながらも直球は最速146キロを記録し、3回を無安打無失点で3奪三振。「思ったより投げられたけど、制球がまだまだ」と振り返ったが、佐々木洋監督は「もっと下半身主導になって腕が強く振れるようになると、夏の甲子園のスピード(150キロ)は超えると思う」と座骨関節の骨端線損傷から復活を目指すエースの復調に目を細めた。21日開幕のセンバツへ、大谷が調整のペースをさらに上げていく。

 ▼巨人・熊野輝光スカウト 打撃は高校時代のT―岡田(オリックス)より上じゃないか。パワーも匹敵する。2打席連続本塁打は鮮烈だった。

 ▼ロッテ・下敷領悠太スカウト 能力の高い選手。四球もあったけど、その辺はすぐに修正できると思う。

 ◆大谷 翔平(おおたに・しょうへい)1994年(平6)7月5日、岩手県水沢市(現奥州市)生まれの17歳。小2で野球を始め、一関シニアでは全国大会に出場。OBの西武・菊池に憧れて入学した花巻東では1年春からベンチ入りし、同秋から背番号1。昨夏の甲子園1回戦・帝京戦は、救援登板するも敗戦投手。父・徹さんは社会人野球の強豪・三菱重工横浜でプレー。1メートル93、86キロ。右投げ左打ち。

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