楽天 3・11以来…忘れられない明石で新たな一歩

[ 2012年3月8日 06:00 ]

<オープン戦 楽・西>オープン戦初勝利に笑顔でハイタッチをかわす青山(中央左)、内村(同右)ら楽天ナイン

オープン戦 楽天1-0西武

(3月7日 明石)
 左翼裏には明石城。温暖な風が吹く。風光明媚(び)な中でも、思い出さずにいられない。1点リードの9回、2死二、三塁で青山が西武・浅村をスライダーで空振り三振に斬った。オープン戦4試合目でチーム初勝利。昨年3・11を経験した明石トーカロ球場で白星の第一歩を刻んだ。

 チームの誰もが覚えている。昨年ここで先発した青山は「昨年は打ち込まれたので、今年は抑えたいと思っていた」と振り返る。3・11。ロッテ戦の7回表終了時だった。震度2から始まり、本拠地の惨状を知り家族との連絡に追われた。3月3日の遠征から35日間各地を転々。この球場から全てが始まった。

 「思い出します。バタバタでしたし、振り返ってみてまだ本当に1年かという感じがします」。投手練習を終えた田中は目を伏せた。選手、そして球団にも思いがある。今回の開催を支えるスタッフは3・11と同じメンバー。当時明石市から車で16時間かけて帰仙した職員もいる。記憶はまだ生々しく、星野監督は明石での勝利について「まだ(3・11まで)3、4日あるから、その時に話そう」と口を閉ざした。

 苦難の記憶に新たな光明も差す。先発の駒不足に苦しむ中で、今年からトルネード式のフォームに戻した戸村が6回無失点。5回まで毎回安打を許したが、新球のツーシームを武器に開幕ローテーション入りに名乗りを上げた。プロ3年目右腕は「未勝利で終わるわけにいかない。悩んで考えてきました」と今季に懸ける。選手会長の嶋はチーム初白星に「いい流れにしていきたい」と話した。明石の記憶を忘れはしない。ここから新たな一歩を踏み出していく。

 ▽昨年明石で行われた3月11日楽天―ロッテ戦 地震発生が伝えられたのは7回表のロッテ攻撃終了時。楽天・米田純球団代表は選手の家族の安否確認のため、ベンチ裏での携帯電話使用を許可するよう審判団に要請し、一度は続行を決めた。だが、7回裏終了時に再び審判団と協議の末、8回表終了での打ち切りを決定。午後3時16分に「選手の家族の安否確認のため試合を終了します」とのアナウンスが流れた。

続きを表示

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

2012年3月8日のニュース