中畑監督に「演技力」問われた黒羽根 偽装スクイズ成功

[ 2012年3月5日 06:00 ]

<楽・D>3連勝のDeNA・中畑監督は指で「3」を作りご機嫌

オープン戦 DeNA4―3楽天

(3月4日 長崎)
 しぶといぜ、粘っこいぜ!中畑DeNAがまた1点差で競り勝った。オープン戦初戦から3連勝は05年以来8年ぶりだ。

 「シーズン中なら涙、涙の勝ち方ですよ。3試合とも1点差でね。粘って粘って、うちらしい野球。雨でも集中力を最後まで切らさなかった選手を褒めてあげたい」

 昨季20勝23敗だった1点差試合を3戦連続で制し、中畑監督も納得の表情だ。1点を追う4回、敵失を足掛かりに逆転。3―1とし、なお1死一、三塁では「監督に“演技力が問われるからな”って言われた」と黒羽根が偽装スクイズを敢行した。わざと空振りをして、一塁走者・小池の進塁をアシスト。その後の黒羽根の遊ゴロは一、三塁のままなら併殺コースだったが、結果的に大きな4点目を叩き出した。

 結局4安打で4得点。ワンチャンスを生かした攻撃に、指揮官は「そんなにチャンスをつくれるチームじゃない。ミスに乗じてうまく得点できている。偽装スクイズも演技がうまくなってきた」と目を細めた。守備面でも自らが推奨する「バッチ来い!」の声が、試合前練習中に中村や渡辺直ら内野陣から出始め「浸透してきたな」とニンマリ。3併殺も完成させてチームを勢いづけた。

 「こんな勝っちゃっていいのかな。ちょっと結果が良すぎる。もうボチボチ負けないと。あしたぐらい負けるでしょ」と中畑監督。しかし決して浮かれず足元を見つめている。「勝ったからいいけど、終盤の攻撃が淡泊。負け試合で淡泊に終わるのは私の辞書にはない。ちょっと格好つけちゃったな、辞書持ったこともないのに」と冗談交じりに課題を分析し、勝ってかぶとの緒を締めた。

 05年はオープン戦の勢いのまま、シーズンでも3位に躍進。それを再現しそうな雰囲気が漂い始めた。

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2012年3月5日のニュース