球児 思い出の球場で収穫 スライダー多投 若手捕手も“教育”

[ 2012年3月4日 17:55 ]

オープン戦に初登板し、2回を無失点の阪神・藤川

オープン戦 阪神3―0オリックス

(3月4日 春野)
 高知商高時代に夏の甲子園出場を決めた思い出の春野球場。2回無失点と好投した阪神の藤川にとって、収穫の多いマウンドだった。「抑えにかかるんじゃ意味がない」と、シーズン中はできないことを試せたからだ。

 「実戦でこれだけ投げるのは初めて」と言うほどスライダーを多投し、3つの内野ゴロを打たせた。ストライクゾーンを幅広く使う狙い通りの内容に、表情は明るい。

 圧巻は5回にバルディリスと対戦した場面だ。初球は緩いカーブ、2球目はスライダー。2ストライクと追い込むと142キロの直球にバットが空を切った。「最初から決めていた」という3球勝負には一分の隙もなかった。

 この配球は、捕手の岡崎への「真っすぐを生かすのはこういうことだよ」というメッセージでもある。正捕手候補の藤井彰が左脇腹痛で離脱。チーム事情を考え「今の時期にこういうふうにできるのはいいこと」と話す姿に、投手キャプテンの風格が漂った。

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2012年3月4日のニュース