松坂も信頼…レ軍の“頭脳”バリテックが涙の引退会見

[ 2012年3月3日 06:00 ]

キャプテンマークの「C」が付いたレッドソックスのユニホームを手に、引退を表明するバリテック捕手

 レッドソックス一筋で15年間プレーしたジェーソン・バリテック捕手(39)が1日、涙の引退会見を行った。キャンプ地球場のホームベース付近に設置された会見でバリテックは「レッドソックスでやってきたこと全てを誇りに思う。鏡に映った自分を見ても、全てを出し尽くしたと思える」とハンカチで涙を拭いながら語った。

 球団史上3人目のキャプテンを務め、監督以上の存在感だった。常に持ち歩くデータファイルは厚さ10センチ。数字だけではなく、ヤンキース戦の試合前には「ジーターは左手首を痛めている」と映像だけで故障を言い当てたこともある。メジャーでは「投手が投げたい球を投げる」という考えがいまだに根強いが、それを逆手に取り、速球派投手に「首をわざと振って変化球」というサインもチームに導入した。豪快な野球が持ち味のレ軍の「頭脳」であり続けた。

 松坂も午後5時からの会見に参加。07年のキャンプ初日のブルペン投球で、いきなり首のブレを指摘されてから「どんな細かいことも理解してくれる」と厚い信頼を寄せてきた。「彼のいないクラブハウスは違和感がある。まだまだいろいろなことを教えてもらいたかった」と引退を惜しんだ。

 ◆ジェーソン・バリテック 1972年4月11日、米ミシガン州生まれの39歳。ジョージア工科大時代の92年にバルセロナ五輪代表。94年ドラフト1巡目でマリナーズ入団。97年にレッドソックスに移籍し、05年から主将を任される。06年WBCで米国代表。球宴出場3度。ゴールドグラブ賞1度。メジャー通算1546試合、打率・256、193本塁打、757打点。1メートル88、104キロ、右投げ両打ち。

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2012年3月3日のニュース