投球の半分がボール…岩隈自慢の制球乱れKOデビュー

[ 2012年3月1日 06:00 ]

紅白戦で打ち込まれ、険しい表情のマリナーズ・岩隈

 マリナーズの岩隈久志投手(30)が28日(日本時間29日)、実戦初登板となる紅白戦に先発。招待選手の川崎宗則内野手(30)に適時打を浴びるなど1回0/3を3安打3失点と、予定の2回を投げ切ることができず「KOデビュー」となった。それでも本人は調整段階を強調。オープン戦初登板は5日(同6日)のパドレス戦に決定し、背番号18がいよいよ本気モードに突入する。

 簡単に3人で片付けた初回からは、想像し難い光景が展開された。2回、先頭のモンテロに初球を左中間二塁打されると、四球と失策で1失点。さらに川崎に中前適時打、ウィルソンには左線適時二塁打を浴びる。あっという間の3失点。なおも無死二、三塁で、フランクリンにストレートの四球を与えると、予定の30球を超えていたこともあり、カール・ウィリス投手コーチが「ゲームオーバー」を宣告した。

 38球で降板。2回は無死満塁で終了となった。「2、3球でカウントをつくっていけるような投球をしないといけない。それができなかった分、投げ急いだ」。初球ストライクは打者9人中、わずか2人。全投球の半分に当たる19球がボールと、自慢の制球力が影を潜めては、メジャーの洗礼を浴びるのも当然だった。

 それでも岩隈に悲壮感はなかった。味方相手の紅白戦。加えて、配球は捕手オリボの要求に全て応える形で投じた。「内容としては、いいものではないが、自分自身の感じとしては良かった。結果は気にしない」と、調整段階であることを強調した。

 現状では大黒柱のヘルナンデス、昨季10勝の左腕バルガスに続く先発3番手の位置付け。エリク・ウェッジ監督の評価も変わらない。まさかのKOにも「初回はアグレッシブだった。2回はトラブルがあったが心配はいらない。次はよくなるだろう」と語った。試合後にはウィリス投手コーチらと話し合い、オープン戦の初登板を5日のパドレス戦に決定。先発で3イニングを投げる予定だ。

 「きょうはここというところで力を入れなかったこともある。ただ、真っすぐのリリースポイントの感覚が(いい時に)戻ってきている。このタイミングで変化球を投げられれば、もっともっと、いい投球ができていくと思う」と岩隈。KOスタートも、後は上昇あるのみ。本領を発揮するのはオープン戦からだ。

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2012年3月1日のニュース