必死のリハビリで驚異の回復 館山“復活”2回無失点

[ 2012年2月28日 06:00 ]

<ヤクルト・韓国KIA>手術後初登板の館山は2回を1安打無失点

練習試合 ヤクルト1-3韓国KIA

(2月27日 浦添)
 「91針の男」は平然としていた。ヤクルト・館山が、韓国・KIAとの練習試合で2回を1安打無失点3奪三振。初の実戦登板で復活への第一関門をクリアし、「ブルペンで投げる感じで投げられた。2年ぶりくらいに(右腕の感覚も)ちゃんとして投げられたかな」と振り返った。

 最速146キロ。初回1死から中前打を許したが、カットボールなども織り交ぜてほぼ完璧に相手を封じた。これが例年なら驚かない。しかし今の館山は、メスを入れてから約3カ月しかたっていないのだ。昨年11月に血行障害で右腕を手術。それまで障害の影響で指先の感覚を失うこともあった。右手指、手のひらなど計46針の縫合。日大4年時に初めて右肩を手術して以来、右腕には計91針の手術痕が残る。この日も登板直後の腕はうっ血しており「これを見ると手術したんだ、と思う」としみじみと話した。

 当初は開幕復帰も絶望視されたが、オフに主にハワイで必死のリハビリに取り組んだ。流水の冷水プールに入り、血の巡りをスムーズにするため一日計6時間、患部を浸したこともある。4、5カ月とされた回復時期が、3カ月に短縮された。「キャンプでは投げられないと思っていた」。小川監督もその回復ぶりを驚きとともに喜んだ。間幕からの復帰も視野に入ってきたが、館山の関心事は自身の弱点に向いていた。「一塁へのけん制クイックが1・35(秒)かかった。1・2にしないと」。もう過去は振り返らない。縫った手術痕の数だけ、右腕は強くなった。

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2012年2月28日のニュース