宮国“Mr.ゼロ”だ!2回無失点で開幕ローテへ前進

[ 2012年2月28日 06:00 ]

<巨・韓国SK>3回から登板し、2イニングを無失点に抑えた宮国

練習試合 巨人3-2韓国SK

(2月27日 那覇)
 「ミスターゼロ」が、またまた一歩前進だ!巨人の高卒2年目右腕・宮国椋丞投手(19)が27日、韓国・SKとの練習試合に2番手で登板。2イニングを1安打無失点に抑えた。初の1軍キャンプ。紅白戦、オープン戦と実戦3試合、7イニング連続無失点と破竹の快進撃を続けている。地元の大声援を受けて、先発6番手の座へさらに前進。チームは28日、沖縄での2次キャンプを打ち上げて帰京する。

 調子は悪くても、最高の結果を出す。やはり宮国は並の19歳ではない。3回打者9人をピシャリ抑えた19日の阪神戦(沖縄セルラー)に続き、実戦3試合で計7イニングをゼロ行進締め。「結果的にゼロに抑えられたのは良かった。2軍で投げていた時より自信になります」と控えめにうなずいた。

 決して納得のいく内容ではなかった。3回から登板し、1死後に四球。4回には1死から中前打され、けん制の際にボークも犯した。「前回より制球も、球自体も悪かった」。それでも2イニングを3奪三振で無失点。最速142キロの直球に、100キロ台のカーブを巧みに使って抑えきった。川口投手総合コーチは「調子が下降気味で少し疲れている。ごまかせるカーブを持っているから、緩急は使えるけど。そのへんは19歳らしくない」と、状態が悪いなりにしのぐ能力を再評価していた。

 26日のロッテ戦(同)が雨天中止となりプロ初のスライド登板。「特に関係ないです」と影響は否定したが、雄姿を届けたい人がいたから踏ん張った。宮古島に住む祖父・下地栄さん(91)。前日観戦に訪れたがかなわず、この日の午前中に宮古島に戻った。栄さんは10年前に大腸がんを患い、歩行にはつえが欠かせない。高校進学後は孫の試合を観戦したことがないという。前日に対面。「体の調子はどう?」と気遣うと「頑張って」と逆に激励された。宮国の登板翌日の新聞が何よりの楽しみだという祖父のためにも、結果を出したかった。

 「真っすぐの勢いが戻るまで見てあげないと。次はちょっと先」。川口コーチは疲労を考慮し、次回登板を明言しなかった。開幕ローテーションが内定する3月13日までの登板機会は、残り1試合となる可能性もある。

 「これから上へ行くには内容も欠かせない。意識していきたい」とさらに表情を引き締めた宮国。島人(しまんちゅ)の宝は8000人の観衆の、そして全島民からの声援を背に故郷・沖縄を28日にたち、6番目の男への挑戦を続ける。

 ▼巨人・原監督(宮国について)いいと思いますよ。このへんからは結果が重要な時期になる。一歩を踏み出したのはいい。しかし、まだゴールは先だからね。

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2012年2月28日のニュース