ルーキー高橋周 先輩から借りたバットで“プロ1号”

[ 2012年2月25日 06:00 ]

<中・韓国LG>4回1死、中日・高橋周は右越えにプロ初本塁打を放つ

練習試合 中日4―0韓国LG

(2月24日 北谷)
 並の18歳に、こんなまねは絶対にできない。4回だ。中日のドラフト1位・高橋周(東海大甲府)の打球は、右翼席中段で弾んだ。初めて4番を任され、鮮烈すぎる「プロ1号」。それでも本人は冷静だった。

 「追い込まれていたんで、来た球を打ちました。ホームランが出たのはそれはそれでうれしいけど…」。そして続けた。「まだまだ全然です。別に喜ぶところじゃない」

 相手は韓国・LGの左腕・崔成勲(チェ・ソンフン)。3球目までに2つストライクを見逃したが、そこから粘る。ボール球には手を出さず、際どいコースはファウル。ボール球には決して手を出さず、獲物を狙うかのようにじっと甘い球を待ち続けた。そしてフルカウントからの10球目。真ん中高めに甘く入ったカーブをきれいに振り抜いた。

 使ったバットは、実は3年目の松井佑から借りたもの。「自分からお願いしました。いろんなバットを試したかったので」と、ベテラン選手のように事もなげにいう。主力選手も出場する中で18歳を4番に抜てきした高木監督も「見事なホームラン。これまでは差し込まれ気味の安打も多かったけど、きょうはスパーンとしっかり振り抜いた」と大絶賛だ。当初はキャンプ中の実戦で1軍残留を見極めると話していたが、実戦8試合で28打数8安打。「名古屋でも出しますよ」と、3月2日からの地元でのオープン戦帯同も明言した。

 三塁には森野という不動のレギュラーが控えるが、高校時代は遊撃手。さらにここに来て高木監督が外野起用も検討している。開幕1軍はおろか、セ・リーグでは88年の立浪(中日)以来となる高卒ルーキーの開幕スタメンも夢ではない。その開幕カードで対戦する広島・畝龍実スコアラーは「打撃では主力と全く遜色ない」と驚きの表情。将来のスター候補。それが現実になるのは、そう遠い日ではない。

 ▼DeNA・横山道哉スコアラー 森野に似ている。ああいう打者になると思う。

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2012年2月25日のニュース