わずか3安打でも勝った!星野監督「テーマはクリア」

[ 2012年2月19日 06:00 ]

<D・楽>3回、内村の犠飛で先制、生還した横川を迎える楽天の大久保コーチ(左)と星野監督

練習試合 楽天3―1DeNA

(2月18日 宜野湾)
 楽天は18日、今季チーム初の対外試合となったDeNAとの練習試合(宜野湾)に、3―1で勝利。前日に中畑清監督(58)を「相手にならん!」と挑発した星野仙一監督(65)は白星を飾り、先輩監督の面目を保った。打線は相手より4本少ない3安打ながら好機を逃さず、昨季ロッテと並んでリーグワーストの432得点だったチームに光明が差し込んできた一戦ともなった。

 3安打でも勝てばいい。新生DeNAとの初対決。創設8年目を迎えた先輩球団として意地を見せた星野監督は穏やかな表情で「内容はまだまだだけど、勝つというテーマはクリアした」と振り返った。

 試合前の円陣。星野監督が珍しくその輪に加わると、猛ゲキを飛ばした。「練習試合であろうが、オープン戦であろうが、全部勝つ!そういう気持ちを持ってやっていかなきゃいかん」。3回に先頭の横川が右中間三塁打。フェンス金網に掛けられた横断幕「熱いぜ」の部分に直撃させ「目立ってましたか?」とニンマリだ。そして内村の犠飛で先制。その内村が6回に先頭で安打と二盗で好機を広げ、敵失の間に加点。さらに2年目・阿部が中前打を放ち、再び敵失で1点を加えた。わずか3安打だが、全て得点に絡む効率の良さで逃げ切った。

 星野監督は球場に到着すると、中畑監督から熱い抱擁で迎えられた。この日の試合は東日本大震災復興支援チャリティーマッチ。後輩監督から試合前のスピーチを打診され、快諾した。「福島県出身の中畑監督、宮城県に本拠地を置くイーグルス。両チーム最下位じゃなく、一緒に戦っていきます。苦しいぞ、清!」とのマイクパフォーマンスで球場を盛り上げた。

 昨秋キャンプからアーリーワーク(早朝練習)を導入し、徹底的にバットを振り込ませてきた。今キャンプでは新たな練習法も導入。マシンから12メートル、16メートル、18メートルの3カ所で打ち、速い球に対応する目を培った。また昨秋に続き「魔の16分」と呼ばれるメニューも実施。変化球に設定したマシンを速いテンポで16分間休みなく打ち続け、体幹強化や始動のタイミングを体に覚え込ませてきた。その成果は3安打と数字にこそ表れなかった。それでも各打者の打球の速度は明らかに上がっており、大久保打撃コーチも「しっかり振れていた。思った以上」と評した。星野監督も「ずっと朝早くから練習しているし、結果を出さないとな」。星野楽天2年目の進化。まずは3安打勝利で一歩を踏み出した。

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2012年2月19日のニュース