イライラしていた中田 待望一発に「つかみつつある」

[ 2012年2月17日 06:00 ]

<日・D>5回1死一、二塁、左中間に3ランを放つ日本ハム・中田

練習試合 日本ハム9―7DeNA

(2月16日 名護)
 日本ハムの中田翔内野手(22)が16日、DeNAとの練習試合で今キャンプ1号の本塁打を含む3安打4打点と爆発。4番に座り続けた実戦6試合目でようやくエンジン全開となった。また、早大ソフトボール部出身の異色ルーキー・大嶋匠捕手(22)も7番DHで先発して3打数2安打。同じ年の左右のスラッガー「ハムのON」2人の活躍で、栗山英樹新監督(50)に白星をプレゼントした。

 これこそが本来の中田の姿だ。フルスイング。その感触は両手にしっかりと残っていた。

 「打席でいろいろと考えすぎて、自分のスイングができていなかったので自分自身イライラしていた。ホームランは風もあって参考にならないけど、やっときょうの試合でつかみつつある」

 5点を追う5回の第3打席。1点を返してなお1死一、二塁で打席に向かう中田は、福良ヘッドコーチから「とにかく3球自分のスイングをしてこい」と声をかけられて目が覚めた。紅白戦、練習試合とここまで5試合18打席で17打数3安打。すべて4番としてフル出場しながら長打は二塁打1本だけだった。きっかけを求めて革手袋を昨季までの黒に戻して臨んだ一戦も三飛、遊ゴロ併殺打。追い込まれていた気持ちが一言で晴れた。

 2球続けて空振りも「余計なことを考えずに、久しぶりにフルスイングできてうれしかった」。ボールを挟んで2球ファウルで粘った後の6球目。チェンジアップに体勢を崩されることなく完璧に捉えると、打球はバックスクリーン左の芝生席に弾んだ。残る2打席も右中間三塁打、左中間打と大爆発。ネット裏で視察した開幕戦で対戦する西武・亀井猛斗スコアラーも「一本出たら歯止めがきかなくなる中田のパターンが出てきた」と警戒を強めた。

 昨季は開幕直後から「がに股ノーステップ打法」でブレークも、中盤以降は下半身の疲労もあって打撃フォームを変更せざるを得なかった。結果、チームトップの91打点をマークしながら打率は・237。シーズンを通して体重を低く沈み込ませるフォームを続けるため、オフはトレーニングを積み、今キャンプは練習終了後も連日、福良ヘッドコーチとマンツーマンでティー打撃でゆっくりした球を打ち込んでいる。球に対してバットを入れる角度を反復して覚えこませ、打球に角度をつける練習を繰り返した。全ては進化のため。一方で、打席で考えすぎるあまり持ち味の思い切りの良さを失っていたが、その壁も乗り越えた。

 同じ年の異色ルーキー・大嶋が注目を集めているが、練習では打撃フォームが似ていることもあってタイミングの取り方などをアドバイス。プロの先輩としての自覚も見せている。

 「自分の持ち味はフルスイング。自分のスイングをしていきたい」。中田が、栗山監督が望む4番の姿に一歩近づいた。

 ▼日本ハム・栗山監督(中田について)こういう試合が積み重なっていくと、チームの中心としてやっていける。

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2012年2月17日のニュース