山口、新球フォーク!阿部も「いいねえ、これ」

[ 2012年2月14日 06:00 ]

フォークを投げる山口

 低めに投げたボールが、ホームベースの手前でスッと落ちた。巨人・山口の新球フォーク。「いいねえ、いいねえ!これ、使えるんじゃないの」。女房役の阿部の称賛する声がブルペンに響いた。

 紅白戦が雨で順延となったこの日も、左腕は迷わずブルペンに向かった。49球の投げ込み。そのうちフォークを数球投じた。「まだ余裕があるときしか投げられないですね。余裕があれば投げたい」と、14日の紅白戦で初めて打者相手に投じる予定だ。「追い込んで空振りを取りたいときに使えれば」。既に一級品であるスライダーに次ぐ勝負球として、さらに磨きをかけていく。

 フォーク習得は今キャンプから本格的に着手。使い手の久保から手ほどきを受け、「しっかり腕を振ること。落ちなくても低めを突けば大きいのは打たれない」と助言された。初めは指の付け根に2センチほどの空間をつくってボールを挟んでいたが「制球が安定しなかった」と改良。付け根までしっかりと押し込んで挟み、人さし指と中指は添えるようなイメージに落ち着いた。「真っすぐと同じ軌道で最後に少しだけ落ちる感じ」と、変化はスプリットに近い。

 昨季途中から抑えを務めて20セーブを挙げた久保は、昨年11月に右股関節唇を手術。開幕を目指して別メニュー調整を続けている。原監督は「(守護神争いは)現時点では久保がリード」としているが、万全の状態で開幕を迎えられるかは微妙だ。抑え候補の新助っ人マシソンもまだまだ未知数。育成出身の林イーハウも1軍での登板経験はない。状況次第では昨季も開幕から4月下旬までクローザーを担った山口が、再び守護神を務める可能性も出てくる。そのための新たな武器がフォーク。まずは14日の紅白戦、新球で打者を手玉に取る。

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2012年2月14日のニュース