栗山監督も苦言…斎藤 場外弾被弾に「悔しい」連発

[ 2012年2月12日 06:00 ]

<日・広>2回1死、日本ハム・斎藤は広島・会沢(左)に中越え先制ソロを浴び打球の行方を見つめる

練習試合 日本ハム2―4広島

(2月11日 名護)
 日本ハム・斎藤佑樹投手(23)が11日、チーム初の対外試合となる広島との練習試合に先発した。初回こそ3者凡退スタートも、2回に会沢翼捕手(23)に場外弾を被弾して2回を1安打1失点。課題の直球には一定の手応えを感じながらも、開幕投手を争う右腕にとっては悔いが残るマウンドとなった。次回は中4日で16日のDeNAとの練習試合(名護)に先発する。

 ぐんぐん伸びる打球を、斎藤は最後まで見ていた。バックスクリーン右の金網を越える場外弾は、その後ろの防御ネットを直撃した。

 「場外っていうのはないなと。一つの失投の怖さをあらためて感じました。きょうは結果が欲しかった。どうしても(結果が)欲しい2イニング。そういう意味では凄く悔しい」

 斎藤は「悔しい」を繰り返して珍しく感情をあらわにした。2回1死。右打者の会沢への初球、外寄り高めの137キロ直球を完璧に捉えられた。昨季は開幕前の練習試合、オープン戦は8試合27イニングで被本塁打0。それがいきなりの被弾に「失投になると、力のない球になるとあらためて感じました」。2回1安打1失点で、最速141キロながら球に切れはあった。変化球で三振も奪った。今季初の実戦登板ならまずまずの内容だが、右腕が求めるものはもっと高いところにある。

 ダルビッシュが抜けた投手陣。結果を残し続けることが、目標の開幕投手という大役へとつながる。そのためにも登板する試合は「0点」が最低限の目標だ。それはベンチにしても同じ。試合後の栗山監督は「状態が良くなってるのは安心したけど、こっちが求めているのはそんなことじゃない。あれ(本塁打)はなしでしょ。思い切り反省してもらいたい」。期待の裏返し。厳しい言葉を斎藤に向けた。

 2年目に向けた今オフは積極的にトレーニングを積んだ。下半身を鍛えることによって、踏み出した左足に体重を乗せるフォームも違和感なくものにした。ダルビッシュのようにねじ伏せるような剛球はないため、直球の質にこだわってきた。今キャンプは第1クールから積極的にブルペン入り。スピンが利いた直球には手応えを感じている。この試合も24球中変化球は6球だけ。それだけに、その直球を打たれたことが悔しかった。

 「コントロールの精度を上げていくことが今後の課題」。開幕投手への道。斎藤にとって、課題が見つかったことこそが一番の収穫だった。

 ▼日本ハム・吉井投手コーチ 一発を打たれた後にひるまずにいってくれたのが良かった。変化球を投げだしたら叱ってやろうと思ったよ。佑ちゃんはみんなが思うよりパワーピッチャー。直球を鍛え、狙われても打てないようにしてほしい。

 ▼ロッテ・八島スコアラー テンポもあるしコントロールも良くて言うことない。本塁打は打たれたけど、先発としての要素は間違いなくいい投手。

 ▼中日・佐藤スコアラー 昨年は反り返るようなところがあったけど、きょうは上の方から角度をつけて前で球を離していた。全体的に筋力がアップしてバランスが良くなった。

 ▽斎藤の昨季実戦初登板 2月13日、韓国・サムスン戦(名護)に2番手として登板。最速139キロながらメジャー通算55本塁打のライアン・ガーコを遊ゴロに打ち取るなど1イニングを打者3人でピシャリ。「7割ぐらいの力で投げました」とスピードよりも切れと制球力を重視した新スタイルで、プロ第一歩を踏み出した。

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2012年2月12日のニュース