1万超えファン「また日本ハムでプレーする姿が見たい」

[ 2012年1月25日 06:00 ]

1万811人が集まったスタンドのファンの声援一つ一つに深々と頭を下げるレンジャーズ・ダルビッシュ

 頭を下げ、手を振るレンジャーズ・ダルビッシュの姿に、ぎっしり埋まった三塁側スタンドから声援、エール、感謝の言葉が次々と降り注いだ。

 「負けるな」「頑張って」「待ってるぞ」「ありがとう」

 約40分間の惜別会見。涙を流す女性ファンの姿も多く見られた。それだけエースの存在は北海道のファンにとって大きいものだった。

 平日の夕方開催にもかかわらず、集まったファンはなんと1万811人。06年の新庄の引退会見は2000人、昨年の斎藤フィーバーに沸いた入団会見でさえ8000人だった。球団幹部が「これほどまでに集まるとは。想像以上」と驚いたほどの大応援団からは会見の途中、何度も何度も温かい拍手と、ねぎらいのかけ声が飛んだ。

 「また日本ハムでプレーする姿が見たい」

 それが全てのファンに一致した思いだった。ダルビッシュも「帰ってくるとしたら第1候補。間違いない」「最終的に戻ってこられたらうれしい」と笑顔で約束した。会見に同席した大社啓二オーナーは、目頭を熱くしながら「北海道のファンは本当に温かい。彼も支えられてきたことを実感したでしょう。また何年か何十年かして、彼が戻ってくることになればそれは本当にすばらしい」としてダルビッシュが将来、再び日本ハムのユニホームに袖を通すことを心待ちにした。

 開場を25分早めた午後2時35分。すでにファン2671人が列をつくっていた。一番乗りは気温マイナス8度の午前5時に姿を見せた札幌市内在住の66歳の男性。「寂しいけど、それより向こうで活躍してほしい。日本選手は価値があるということを見せてほしい」とダルビッシュが海を渡っても応援し続けることを誓った。

 「これが終わりではなく始まり」と大社オーナー。1万811人の思いも同じだ。ダルビッシュの海の向こうでの活躍を信じ、またここに戻ってくることを信じている。

 ≪過去の札幌D会見≫
 ☆新庄剛志の入団会見(03年12月3日)この形式の会見の元祖。白いシャツとジャケットにマフラー、ジーンズ姿。「値段は100万ペソぐらい。下はアシックス、上はデサント」などと新庄語のオンパレードで2000人のファンを笑わせた。北海道弁を求められると「やっぱ日本ハムだべさ」。

 ☆新庄剛志の引退会見(06年10月27日)44年ぶりのチーム日本一達成から一夜明けて、札幌ドームのグラウンドに用意された会見場ではなく、プロ1年目から17年間愛用したグラブを手にマウンド付近で引退会見。ジャケット姿で約2000人のファンの前に立った。

 ☆斎藤佑樹の入団会見(10年12月9日)ドラフト1位右腕は札幌市内で正式契約後、札幌ドームで単独入団会見。背番号18のユニホームを初披露して、マウンドから捕手役を務めた梨田監督にプロ第1球を投じた。早朝4時から列をつくった約8000人のファンにはサインボールを投げるサービスもあった。

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2012年1月25日のニュース