東北に元気を…イチロー 日本開幕戦でトモダチ作戦

[ 2012年1月17日 06:00 ]

メジャー日本開幕戦を復興イベントに。支援の目玉となるマリナーズ・イチローが日本に元気をもたらす

 大リーグ機構(MLB)は16日、3月28、29日にマリナーズとアスレチックスで行われるメジャーの日本開幕戦(東京ドーム)を東日本大震災からの東北復興支援イベントにする考えを示した。都内で開催された「2012MLB開幕戦」の記者会見で、ジム・スモールMLBジャパン代表(50)が発表した。支援の目玉となるのは今季年間200安打に再挑戦するマ軍のイチロー外野手(38)。メジャー移籍後初の母国凱旋公式戦で日本に元気をもたらす。

 東日本大震災から1年を迎えた時期に開催する日本開幕戦。スモール代表は会見の冒頭で、MLBと大リーグ選手会の総意として支援する姿勢をあらためて示した。

 「日本で開幕するのは4回目ですが、今回はいろいろな意味で一番重要だと思っています。イチロー選手に母国のみなさまの前で再びプレーをする機会を与えられるだけでなく、この開幕戦を通して、約1年間東北で苦しい思いをされてきた方々に少しでも元気を取り戻していただきたい」

 支援の象徴がイチローだ。震災後は義援金1億円を寄付し、MLBや選手会に継続支援を訴えた。大リーグ選手会日本代理人のピーター・ミラー氏は「イチロー選手から、地元の人々と触れ合う形を多くとってほしいという提案を受けました。彼の言葉が、いろいろな活動につながった」と証言した。

 イチローの声に呼応するようにMLBも選手会と協力。日米両政府が主導する「トモダチプロジェクト(作戦)」を通じて野球用具の提供や、野球教室を開催した。今回も同様で「“トモダチ作戦”を中心に開幕戦でも支援したい」と同代表は話した。

 自らも「死」を意識したという95年の阪神大震災では「がんばろうKOBE」のスローガンの象徴となった。1月17日は毎年欠かさず黙とうをささげているイチロー。ファンを魅了するプレーで今度は東北を、そして日本全国を勇気づける。

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2012年1月17日のニュース