大久保コーチ 理想は「いやらしい」黄金期のツバメ打線

[ 2012年1月7日 06:00 ]

ショットを放つ楽天・大久保打撃コーチ

 目指すは黄金期のツバメ打線だ!楽天の大久保博元打撃コーチ(44)が6日、親睦を目的とした「新春ゴルフコンペ」を埼玉県内で開催。DeNAの中畑清監督(58)らが参加した。星野楽天の打撃部門を引っ張る大久保コーチは、理想とする打線として95年に日本一に輝いたヤクルト打線を挙げた。昨秋キャンプでもアーリーワークを導入するなど精力的に指導。「つなぎ」の精神を植え付け、Bクラスに低迷したチームをCS進出、日本一へと導く。

 すでに頭には目標とする打線のイメージができていた。ゴルフコンペを終えた大久保コーチは「楽天打線は昔のヤクルト打線に似ている。キャッチャーから見ても、いやらしい打線だった」と黄金期のヤクルト打線を理想として掲げた。

 大久保コーチが巨人で引退した95年はヤクルトが日本一に輝いた。当時は飯田、荒井の攻撃的な1、2番に古田、オマリーが軸となった勝負強いクリーンアップ、さらに7番にポイントゲッターで土橋が座るなど抜け目のない打線だった。敵として対戦していた同コーチは「1、2番が出て、クリーンアップが還して、下位もボールを見極めていた」と振り返った。

 昨季の楽天は打線がリーグワーストタイの1試合平均3得点で5位に低迷。今季から主砲の山崎が抜けて「つなぎ」の意識が不可欠となるだけに、黄金期のツバメ打線は手本となる。新任コーチとして参加した昨秋キャンプでは西武のコーチ時代に行っていたアーリーワーク(早出練習)を導入して若手の体力強化と意識改革に努めた大久保コーチは、今春キャンプについて「秋と同じ練習量になる」と明言。至上命令でもある打線強化のために身を削る覚悟だ。

 理想の打線に近づけるため、大久保コーチが期待している選手が牧田だ。昨季は春先の故障で出遅れたが、9月以降は持ち前の勝負強さを発揮して得点圏打率・350。同コーチは「いい選手と聞いていたけど、秋キャンプで見て本当によかった」と評価し「7番にいてくれたら」と「ポスト土橋」として期待した。

 08年には打撃コーチ1年目で西武を日本一まで導いた大久保コーチ。次は楽天の力となる。

 ☆90年代のヤクルト黄金時代 90年に野村監督が就任。新人・古田を正捕手に抜てきして黄金期の基礎を築いた。94年オフに主軸・広沢が巨人にFA移籍したが、阪神を解雇されたオマリーを獲得。95年は4番として、自己最多の31本塁打を記録した。飯田は不動の1番打者として打撃陣をけん引。「ブンブン丸」池山は、古田と中軸を固めた。また、下位には土橋、真中のいぶし銀が控え、隙のない打線で4度のリーグ優勝と3度の日本一に輝いた。

続きを表示

2012年1月7日のニュース