新春新監督対談!中畑&栗山“幸せだよ、俺たちは”

[ 2012年1月1日 06:00 ]

本紙特製・新春夢新聞の前で飛躍を誓うDeNA・中畑監督(右)と日本ハム・栗山監督

 DeNAの中畑清監督(57)と日本ハムの栗山英樹監督(50)が、スポニチ紙上で新春対談を行った。評論家、スポーツキャスターとして昨年まで本紙で健筆を振るってきた両監督が、指揮官としてルーキーイヤーとなる今年への思い、本音を熱く語り合った。夢は大きく、日本シリーズでの激突。栗山監督の座右の銘は「夢は正夢」。夢はかなえるために見るものと信じ、中畑DeNAと栗山ハムが船出する。

 ――あけましておめでとうございます。監督として初めて迎える正月の心境は。

 中畑 喜びと、うわー、すげえことになっちゃったなっていうプレッシャーと入り交じっちゃってるね。だから俺、一時3キロやせちゃったんだよ。でも、野球人なら誰もが口に出さないまでも、就きたいと思っているポジションに就けたのは幸せ者だと思う。

 栗山 こういう正月というのは多分、初めてですよね。責任感じます。本当に自分の決断一つでいろんなことが変わってしまうということで。選手の家族とかが凄く頭に浮かびますね。

 ――1カ月後にはキャンプイン。いよいよチームづくりが始まる。

 中畑 俺ね、ノックをキャンプ初日に、どうしても初日にやりたいのよ。1時間かけて(選手と)勝負したいっていうのがある。ノックって本当に心が通うんだよ。最後の1球を完成させたときの喜びとかさ、一緒に味わえるっていうのはさ。言葉だけじゃね。それはまだ体が動くんだっていう俺の自信にもなるんだよね。だから俺、言ってきたじゃん。選手と一緒に汗をかきたいって。俺もそういう育てられ方したから。マンツーマンで長嶋さん(巨人終身名誉監督)、2時間やったからね。それでうまくなってきた気がするんですよ。その選手にかける情熱とか、その情熱を返してくれるような選手を発見し、能力を開花させてあげたいというのが俺の描く監督像なんだよね。

 栗山 選手と一緒に汗をかいて、みんなと戦うんだというのは、物凄く大事ですよね。ただ、本当にまず、自分が判断ミスしないように見るっていう…。僕が今、考えているのは、見てみて、見つめて、見極める。3段階で選手を。いつ終わるのか分からないですけど、“うちの監督は何もしない”と言われようが、とにかく僕はそれをやろうと思います。だからノックを打つより、その選手と30分マンツーマンで徹底的に話した方が効果があるんだったら、それはやりますし。ちょっと僕のイメージとは全く違う方向の動きをする可能性はあるかなって。多分、凄く動きそうですよね。ノックして、ボール拾って、ティー上げて、とかって全部やりそうじゃないですか。そういうことも大事だけど、もっと大事なことがあるんじゃないかって自分に言い聞かせています。

 中畑 クリはね、何にもしない方が選手は怖いと思うよ。選手との距離感をうまく取りながらという方が合っている気がするよね。チームを生かせる気がする。でも、俺は山本五十六(いそろく)だ(注1)。

 栗山 やってみせて、言って聞かせて、させてみて、ですね。

 中畑 褒めてやらねば、人は動かじ。このスタイルってノックにも通じるんだよね。

 栗山 スタメン組むときに監督が困らないような選手をまずつくらないと。

 中畑 レギュラーつくらないとな、戦えないもんな。柱つくって、レギュラーつくって。

 栗山 ファイターズもそう(沖縄・名護)ですし、中畑さんもそう(沖縄・宜野湾)ですけど、キャンプ地がホテルから歩いて帰れる距離にあるというのがいいですよね。3勤1休だろうと4勤1休だろうと僕はあまり関係なくて、やらせる選手は休みの日もやらせます。人によってやることは違うんだと思うんですよね、キャンプって。僕らもそうだったんですけど、帰るときに先輩が帰るからこの車に乗らなきゃいけないって、もうちょっとやりたいのにって、そういうのは余計ですよね。

 中畑 何時まででもできるもんな。線引きがなくて。

 (注1)大日本帝国海軍の軍人。真珠湾攻撃とミッドウェー海戦で総指揮に当たった。

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