ダルVIP待遇 レ軍異例の先発6人制で中4日回避へ

[ 2011年12月22日 06:00 ]

レンジャーズは先発6人制の「ダルビッシュ・シフト」を検討

 早くも「ダル・シフト」だ!日本ハムのダルビッシュ有投手(25)の独占交渉権を獲得したレンジャーズが、大リーグでは異例の先発6人制を敷く可能性が出てきた。

 メジャー1年目の右腕の移籍をスムーズに行い、中4日をなくすことで負担を軽減する意味合いがある。加えて本拠地アーリントンの夏の酷暑を乗り切り、悲願の世界一へ向けてポストシーズンでの余力を残すことも可能に。投手陣全体への波及効果も大きく、正式契約後に本格検討されることになりそうだ。

 独占交渉権獲得から一夜明け、レンジャーズ内部で早くも「ダルビッシュ・シフト」が検討され始めた。FOXスポーツによると、球団関係者が「先発6人制にして、投手陣全体の負担を軽減することは意味がある」と話したという。

 大リーグの先発ローテーションは中4日で5人で回すのが常識。豊富な中継ぎ陣に抑えと、投手の分業制が確立されており、選手寿命が延びるとの科学的根拠もある。球数制限は100球前後。しかしダルビッシュは日本で、中4日での先発は今季の1度しかない。滑るとされる公式球、硬いマウンドへの対応などとともに修正すべき課題の一つだ。移籍1年目。その負担を減らすべく、先発6人制はダルビッシュのための改革といえる。

 レ軍は今季16勝を挙げたエース左腕ウィルソンがエンゼルスにFA移籍したが、ダルビッシュ獲得で穴は埋まる。元広島のルイスが安定し、今季はホランド、ハリソンの両左腕が急成長した。クローザーを務めたフェリスが先発転向の予定で、6人がそろうことになる。

 「特に2年連続でワールドシリーズを戦った後だから、非常に有益だ」と球団関係者。先発陣はレギュラーシーズンに加え、ポストシーズンも登板を重ねた。加えて来季は、先発転向初年度となるフェリスも投球回数を制限する必要がある。夏は気温40度にも達する本拠アーリントン。酷暑による消耗を防ぐことで、プレーオフへ体力を温存できるなど利点は多い。

 ジョン・ダニエルズGMは「先発構成はダルビッシュ獲得後に考える。いろんな選択肢が出てくるはずだ」と話す。独占交渉期間は日本時間1月19日午前7時まで。ダルビッシュと契約することで球団初の、そして世界一へ向けた大胆なプランを断行することができる。

 ▽最近のメジャーでの6人ローテーション 09年にレッドソックスがベケット、レスター、ペニー、ウェークフィールド、松坂、スモルツの6人で先発を組んだ。松坂は股関節痛などで4勝(6敗)止まり。6人で計56勝をマークした。

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2011年12月22日のニュース