ダルへの恩返し…マー君 日本一の投手になる

[ 2011年12月22日 06:00 ]

福本豊氏(右)からトロフィーを受け取る田中

 守備のベストナインに贈られる「第40回三井ゴールデン・グラブ賞」の表彰式が21日、都内ホテルで行われ、記者投票で選ばれたセ、パ17選手(栗原は欠席)にトロフィーと副賞賞金50万円が贈呈された。プロ5年目で初受賞となった楽天・田中将大投手(23)は、レンジャーズが独占交渉権を獲得した日本ハム・ダルビッシュ有投手(25)のメジャーでの活躍に太鼓判。シーズンでしのぎを削った絶対エースにエールを送り、自らは日本のエースになることを誓った。

 今年の沢村賞男が言うのだから間違いない。田中はダルビッシュがメジャーで活躍できるかと問われると、ちゅうちょすることなく答えた。

 「普通にやれば勝てる投手だと思う。(メジャーで)どれだけ成績を残すのか。一野球ファンとして楽しみです」。田中からすれば2桁勝利は当たり前。日本と変わらずにどこまで白星を積み上げるか。その一点に注目している。尊敬する先輩であり、投げ合ったライバルだからこそダルビッシュの凄さを誰よりも分かっているからだ。

 ダルビッシュとは今年7月20日、東京ドームで2年ぶりに対決し、8回3失点で敗れた。通算1勝3敗。「(メジャーに)行かれることになると思うんですけど、最後に勝っておきたかった。目標というより、大きな存在でした」。あらためて悔しさがこみ上げる。自分の成長を、直接投げ合うことで見せつけたい。ハイレベルな戦いをまだまだしたい。だが、来年からそれがかなわない。

 寂しさは募るが、使命感も芽生えた。「日本一の投手」と評したダルビッシュが日本を去り、今度は自らが日本一の投手になることが恩返しだ。今季は投手3冠。沢村賞を獲得し、ゴールデン・グラブ賞も初受賞した。「自分は大した投手じゃない。まだまだ。トータルでレベルアップしていかないと。ゴールデン・グラブも連続して獲れるようになりたい」。その向上心こそが田中を成長させ、日本一の投手にさせる。

 ☆最後の田中VSダルビッシュ 7月20日(東京ドーム)に2年ぶり4度目の対戦。ダルビッシュは2回に山崎の右翼線二塁打で先制されるも、9回4安打1失点完投で13勝目。田中は4回無死二塁から中田、稲葉に連続適時打を浴び逆転を許した。5回以降は立ち直ったが、8回を5安打3失点。試合後、ダルビッシュは「(田中は)凄く球もコントロールもいい。あとは身体能力を少し高めてほしい」。田中は「誰もがダルさんを日本一の投手と思ってる。目標だけど、いつまでも憧れではいけない」と話した。

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2011年12月22日のニュース