田中「意識します」中田との対戦は新時代の名勝負に

[ 2011年12月13日 06:00 ]

ジョージア魂賞・年間大賞表彰式で、ジョージア魂年間大賞を受賞した田中は、中田から「対戦したくない投手」と言われ苦笑い

 チームの勝利に貢献した素晴らしいプレーに贈られる「ジョージア魂」賞の年間大賞表彰式が12日、都内ホテルで行われた。全12の受賞プレーの中から、楽天・田中将大投手(23)が第2回大賞に選ばれた。9月10日の日本ハム戦(Kスタ宮城)で斎藤佑樹投手(23)とプロ初の投げ合いに勝利したことが評価された。選考委員特別賞は楽天・嶋基宏捕手(27)が受賞。2選手にはトロフィーと副賞として田中に賞金100万円、嶋に賞金30万円が贈られた。

 田中は喜びとともに使命感も感じていた。今季最も注目された日本ハム・斎藤とのプロ初対決。プロの先輩として負けられない一戦で圧倒的な力の差を見せつけた試合が、ファンから今季最高の試合に選ばれた。

 「因縁の対決でしたが、勝って当たり前と思われていた。負けたら何を言われるか分かりませんから。負けたくない相手ですし、今後も投げ合う機会があると思う」

 甲子園を沸かせた2人の対決は高い注目を集めた。しかし、プロでの実績と現在の実力を考えれば、来季の田中が斎藤を過剰に意識することはない。斎藤以上に特別な存在となっているのは、この日の表彰式で同席した日本ハム・中田だ。

 田中が対戦を意識する打者は数少ない。「私生活で交流のある人や日本代表で親しい人くらいですね。他にはチームメートだった(渡辺)直人さん」。マウンドで「絶対に打たせない」と意識する打者は実績を積み上げた先輩や、かつての仲間だけ。唯一の例外が中田と言える。ここ数年の成長を肌で感じており「体はほっそりしたけど、近くで見るとごつい。しっかり絞って体に無駄がなくなった。打席で雰囲気があるし、他の打者とスケールが違いますから意識しますよね」と実力を認める。プロの先輩として「どんな場面でも打たせたくないですよ。年下なのでなおさらです」とプライドを口にする。

 田中には脳裏に焼き付いている「伝説の一戦」がある。06年パ・リーグのプレーオフ第2ステージ。ソフトバンク・斉藤が日本ハム戦で9回にサヨナラ打を許してマウンドで泣き崩れた。当時、駒大苫小牧3年だった田中はテレビにくぎ付けになった。「あれだけの投手が1試合に懸ける思いが伝わってきた。号泣する斉藤さんがチームメートに担がれる場面は今まで見た試合で一番印象に残っている」。5年たった今でも忘れられない一戦に「何年たっても語り継がれる試合を自分も経験してみたい」と語る。

 今オフはダルビッシュや岩隈、和田ら球界を代表する投手がメジャー移籍する可能性が高い。来季の田中は球界やファンの期待を一身に背負う。これまで野茂VS清原や松坂VSイチローなど数々の名勝負が生まれてきたが、田中が思い描くのは負けられない一戦で中田を抑え込む場面。観客の魂を揺さぶり記憶に残る投球を見せる。

 ▼楽天・嶋(選考委員特別賞受賞)東日本大震災があった中、開幕戦の一打が選ばれて大変光栄です。僕一人の力で獲れた賞ではありません。チームメートや東北のファンの方も感謝しています。

 ▽「ジョージア魂」賞 10年に日本野球機構(NPB)とパートナー契約を締結した日本コカ・コーラ株式会社の缶コーヒーブランド「ジョージア」の冠を取って創設された「チームのためのプレー」を称える賞。山田久志氏、栗山英樹氏ら6人の選考委員が対象試合から6プレーを選出し、その中からファンの最多得票を集めた選手を表彰。年間大賞はシーズン終了後にファン投票の集計結果や選考委員の審議によって決定。第1回は城島健司(阪神)が受賞。

 ◆選考委員 山田久志、高木豊、栗山英樹、伊東勤(以上、プロ野球OB)、二宮清純(スポーツジャーナリスト)、小林光男(週刊ベースボール編集長)=敬称略

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