川崎「イチロー愛」貫く マリナーズだけ希望

[ 2011年12月2日 06:00 ]

会見で満面の笑みを浮かべる川崎

 ソフトバンクの川崎宗則内野手(30)と和田毅投手(30)が1日、ヤフードーム内でそれぞれ会見を開き、海外フリーエージェント(FA)を宣言した。川崎は尊敬するイチロー外野手(38)が所属するマリナーズに移籍先を限定するという異例の表明。代理人もイチローと同じトニー・アタナシオ氏と契約し、マリナーズとの交渉がまとまらなければソフトバンクに戻る。和田は先発起用を最優先の条件とし、移籍先を決定する。

 川崎が「イチロー愛」を貫いた。メジャー挑戦の表明は、さながらマリナーズへの逆指名会見と化した。

 「野球人として、メジャーリーグに挑んでみたく、その上でイチロー選手と同じチームでのプレーだけを希望しています」

 条件はただ一つ。そのチームにイチローがいること。マリナーズ以外の移籍は選択肢にない。願いがかなわなければ「その時考えます。日本にもし帰ってくるならホークスだけ」とソフトバンク復帰を明言した。

 95年、地元・鹿児島県の鴨池球場で行われたオリックスのオープン戦で、イチローの本塁打を見て一目ぼれ。川崎、中2の春だった。06年のWBCでは同じ日本代表のユニホームで世界一。その年の12月には「お金を出してでも一緒にやりたい」と神戸へ押しかけ、イチローとの合同自主トレを実現させた。

 不振に陥ると自宅でイチローのサイン入りバットを振る。イチローと同じマネジメント会社「バウ企画」に入り、代理人も同じアタナシオ氏を選んだのは偶然ではない。

 「ストーカーみたいで気持ち悪いですかね(笑い)。でもしようがない。自分でつかんだ権利。いま、一番したいことをしようと思いました」。オファーがマイナー契約でも「可能性はあります」と受け入れる構えだ。川崎が海を渡り、いちずな思いを成就させる。

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