中継ぎでは初のMVPも…浅尾「吉見に“ごめん”」

[ 2011年12月2日 06:00 ]

セ・リーグMVPを受賞し笑顔で喜びを語る中日・浅尾

 2011年のプロ野球コンベンションが1日、都内ホテルで行われ、MVP(最優秀選手)にセ・リーグは中日・浅尾拓也投手(27)、パ・リーグはソフトバンク・内川聖一外野手(29)がそれぞれ初めて選出された。浅尾はリリーフ投手としては4人目の受賞で、中継ぎでは初の栄冠。内川もパ・リーグでは5人目の、移籍1年目でのMVPとなった。またベストナインなど各タイトルを獲得した選手らが表彰された。

 決して花形といえる役割ではない。それでも継続は力。史上初めて中継ぎ投手としてMVPという栄誉に輝いた浅尾は「信じられない気持ち。縁がない賞だと思っていた。うれしいというよりも驚きの方が大きい」と、端正なマスクをほころばせた。連覇を成し遂げたチームにあって不動のセットアッパー。MVPと最優秀中継ぎ投手賞のダブル受賞も初の快挙だ。

 残した数字は文句のつけようがない。昨季自身がつくった球団記録を塗り替える79試合に登板。7勝2敗10セーブで、52ホールドポイント。防御率も0・41で被本塁打もゼロだった。先発登板のない投手のMVP受賞は98年の佐々木主浩(横浜)以来4人目だが、過去の3人はいずれも抑え役。いかに浅尾の存在が大きく、そして価値ある活躍をしたかが分かる。

 「“中継ぎでも獲れるんだ”というのを証明できて良かった」。得票数争いは、18勝3敗の同僚・吉見とのマッチレース。今季はエース右腕を救援した際、結果的に白星を消した試合が2つあり「正直、吉見が獲ると思っていた。僕が2勝を消してしまったので、本当は20勝していたはずだから…」と複雑な表情だった。その同級生から「拓が獲るなら全然いいよ」と温かい言葉をもらい「吉見には“ごめんなさい”と言いたい」と笑った。投手陣の合言葉は「浅尾につなげ」。守護神・岩瀬との勝利の方程式は、来季も最強の武器となる。

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2011年12月2日のニュース