横浜DeNA 1日誕生…セ6球団賛成で参入承認の公算大

[ 2011年12月1日 06:00 ]

報道陣の質問に応えるDeNAの春田会長

 プロ野球12球団は1日、臨時実行委員会とオーナー会議を開き、TBSホールディングス(HD)から横浜ベイスターズの買収を決めた交流サイト運営大手のディー・エヌ・エー(DeNA)の球界参入を承認する見通しとなった。

 セ、パ両リーグが30日に都内で開いた臨時理事会でセは承認で見解が一致。楽天が反対するパは方向性を示さなかったが、オーナー会議で参入が承認される4分の3以上の同意を得る公算が大きくなった。正式承認されれば2004年オフにソフトバンクが福岡ダイエーホークスを買収して以来の球団譲渡となる。

 オーナー会議を翌日に控え、急きょ招集されたセ、パの臨時理事会。楽天が反対の立場を取っているパは日本ハムが欠席して5球団が資料を精査した上で意見交換しただけで、リーグとしての方向性を示すことはなかった。その一方、同時刻に行われたセの理事会では参入を承認することで見解の一致を見た。

 阪神・沼沢正二球団本部長は「セ・リーグでは(意見が)まとまりました」と説明。中日・佐藤良平球団代表も「(参入に)強く反対する球団はなかった」と言った。セの6球団はDeNAの参入を承認することで一致。オーナー会議前日にセの方向性が明確に出たことに大きな意味がある。

 セでは、賛成派と見られた巨人の白石興二郎新オーナーが23日の就任会見で「状況を分析してオーナーとしての判断を示したい」と軌道修正とも取れる発言。中立の立場を示し、他球団へどのように影響するか注目されていた。その巨人も含めた見解一致。巨人・原沢敦球団代表は臨時理事会後、報道陣の質問に一切答えなかったが、新(あたらし)純生セ・リーグ理事長(ヤクルト球団常務)は「一つにまとまろうということは変わっていない」とした。

 パの臨時理事会について井上智治理事長(楽天オーナー代行)は「資料を確認、精査して(DeNAの)どこに問題があるか全般的に話した。各球団の意向は聞いていない」と説明。楽天は22日の臨時実行委員会でも大量の資料を持ち込み、事業の健全性や法令順守について問題を提起している。見解一致のセとは対照的に、パは賛否について臨時実行委員会、オーナー会議で各球団が判断することになった。ソフトバンク・高田浩一郎球団取締役も「スタンスは決まっていない。今は中立。慎重に判断する」と話したが、ここに来てパでもオリックス、西武をはじめ複数球団が賛成に回る情勢となっている。参入の承認にはオーナー会議の出席者による4分の3以上の賛同が必要だが、セ6球団を含め4分の3以上の同意が得られる可能性が高くなった。

 オーナー会議に向けては、DeNAの問題点を取り上げた新聞や雑誌の記事、ウェブサイトでのアンケート結果など資料が各オーナー宛てにメールで配信されている。また、22日の臨時実行委と同様に、各オーナーの質疑応答に備えてDeNA関係者が別室で待機する。新球団誕生となるか否か。最終的にはパの何球団が賛成するかが鍵を握る。

 ▼オリックス・村山良雄球団本部長 新しい球団が入ってくるわけだからうまく受け入れないといけない。あす(1日)のオーナー会議で決めないと選手もかわいそう。

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2011年12月1日のニュース