津波で家流された祖父母の前で…尾形不屈のサヨナラ弾

[ 2011年11月26日 06:00 ]

<東北福祉大・大体大>9回無死、右越えにサヨナラ本塁打を放つ東北福祉大・尾形

第42回明治神宮野球大会大学の部準々決勝 東北福祉大1―0大体大

(11月25日 神宮)
 高校、大学の部の準々決勝がそれぞれ2試合行われた。大学の部では東北福祉大が、9回に尾形裕介外野手(4年)のサヨナラ本塁打で大体大を1―0で下し、創価大とともに4強入り。高校の部は鳥取城北と愛工大名電がベスト4に進出した。

 東北福祉大は0―0の9回に、尾形が右翼席にサヨナラ本塁打を打ち込んだ。「思い切り振ろうと、マイナスなことは考えなかった。真ん中真っすぐ。何が何だか分からない」と興奮冷めやらぬ様子。東日本大震災で宮城県東松島市の祖父母の家が流された。他の部員とボランティアにも取り組んできた尾形は、その祖父母が観戦する前で大学公式戦3本目というアーチ。サヨナラ本塁打は大学で初だった。3年ぶりの4強で、準決勝はドラフトで広島1位指名の右腕、野村を擁する優勝候補の明大と対戦する。山路哲生監督は「胸を借ります。野村投手は(コーチを務めた)今年の日米野球で一緒だったので、私の中ではイメージがある」と控えめに話した。

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2011年11月26日のニュース