清武氏が会見で訴えた6つのこと

[ 2011年11月25日 17:54 ]

 清武氏の会見要旨は以下の通り。

 (1)適正手続に従って決まっていたコーチ人事を渡辺恒雄球団会長の鶴の一声で、違法、不当にも覆そうとした。渡辺氏の横暴は絶対に食い止めなければならないコンプライアンス違反と判断し公然と翻意を促した。

 巨人は株主である読売新聞グループ本社のものであると同時に、選手、コーチ、監督のものであり、ファンのものでもある。私の解任は違法・不当な処分を強行し、本質的な議論を抹殺しようとするものに他ならない。

 (2)渡辺氏が多くのマスコミの前で確信犯的に虚偽の事実を述べた。11月4日、渡辺氏はコーチ人事について「俺は何にも報告を聞いていない」と発言した。真実は、私と桃井元オーナーは10月20日、コーチ人事等について、書類をもとに1時間半にわたって報告していた。今回の渡辺氏のコンプライアンス違反は11月4日の虚偽発言から始まっている。

 (3)渡辺氏の行為は江川卓氏やファンを愚弄するもの。渡辺氏は「巨人は弱いだけでなく、スターがいない。江川なら集客できる。彼は悪名高いが悪名は無名に勝る。彼をヘッドコーチにすれば、次は江川が監督だと江川もファンも期待するだろう。しかし、監督にはしないんだ」などと独断人事の狙いを打ち明けた。「たかが江川」「たかがファン」という底意に基づいた人事で、到底容認できなかった。

 (4)渡辺氏が原辰則監督らを今回のコンプライアンス違反の問題に巻き込んでしまった。渡辺氏は、江川氏を招へいするにあたって原監督に交渉させ、報告を受けることにしていた。実際に交渉が行われたかは不明だが、巨人の象徴的存在である監督を権限外の問題に巻き込むことは許されない。

 (5)巨人におけるコーチ人事については、GM兼編成本部長である私に人選及び調印権限が帰属していたのであり、オーナー及び渡辺氏への報告を経た後のコーチ人事については、確定人事であって、たとえ親会社の読売新聞グループ本社の代表取締役会長・主筆であり、巨人の取締役会長である渡辺氏といえどもそれを覆すことは許されない。

 (6)私は「巨人軍は常に紳士たれ」「巨人軍は常に強くあれ」「巨人軍はアメリカ野球に追いつけ、追い越せ」という巨人の創設者正力松太郎氏が残したいわゆる「正力三訓」を実践するために、球団経営改革やコンプライアンスの徹底を進めてきた。

 来期に向けた人事を正規の手続を踏んで進めていた矢先に、旧来の商店経営の典型である、鶴の一声で渡辺氏はこれを覆そうとした。ファンを裏切り、選手、コーチ、監督、心ある球団職員を裏切る重大なコンプライアンス違反をポストに釣られて見逃したのでは人の道に反する。

 私に対する解任は、コンプライアンス違反を隠蔽するための報復措置としてのものであり、違法・不当なもの。そう遠くない時期に必要な訴訟を提起する。

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2011年11月25日のニュース